「2022年」の記事一覧

テラフォーミングに時間を吸われてる

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SF小説を読んでいて、急にテラフォーミング欲が抑えきれなくなり、久しぶりに火星植民ゲームの『Surviving Mars』を起動したら止まらなくなってしまった。もういい歳なのにゲームが止められないんだなあ。イーロン・マスクが急に出てきたのには笑ってしまった。

このゲームで発生する『宵の星』というイベントに出てくるNPCの悪魔がメチャ好きで、まあ取引持ちかけてきて後で人命を要求してくるクソ野郎なのだが、彼見たさに何度も回してしまう。今回、私は「ニューアーク教団」と言うヤバめの宗教団体代表として火星でブイブイ言わせており、さあて今回はこのクソ野郎と対決してみるか〜!と思っていたら、間違って断ってしまった。アー!!!!!!ロウvsカオスの地獄のような戦争を始め損ねてしまった。泣きながら直前のオートセーブを掘り返したりなんだりで忙しいため、今日は読書をしませんでした。いい大人なのに。

読書:星を継ぐもの(その3) / ジェームズ・P・ホーガン

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星を継ぐもの / ジェームズ・P・ホーガン

先日の続きから。この主人公、メチャクチャよく働くな。国連宇宙軍のお偉いさんから指名されて主任となって以来、縦横無尽に専門家の元へと駆け巡り、とうとう「ルナリアンたちの母国・ミネルヴァで大規模な宇宙戦争があったのでは?五万年前には、高度な兵器(核)があったことが予想される。発見されたチャーリーたちは探索隊の一つであったが、月面裏側に集中している大規模な隕石落下によって痕跡が抹消されたものと思われる」みたいな説まで出してきて、SF小説おもろ〜ってなっている。
月面で見つかる五万年前の遺体!宇宙服を着ていて高度な文明を持つと予想される!次々に見つかる彼らルナリアンたちの遺体!彼らの食糧だったと思われる、地球にはない生態の魚が見つかる!エー!?月面の隕石落下クレーターは実は超融合爆弾の痕跡だった!?そして見つかる……母惑星・ミネルヴァの存在!これがSF小説なんだなあ。読んでいて、童心に帰ってしまった。ワクワクする。

同時期に見つかった木星の衛星ガニメデに乗り込んで調査したところ、プロローグで出てきた、人の良い巨人の亡骸も出てきた。ガニメデ?ガニメアン?急に出てきたが、地球人と同じような人間のチャーリーとはまた違った人種(巨人)で、やっぱ宇宙間戦争があったのでは?と思わされるな。プロローグでは、この巨人はチャーリーたちに味方していたように思えるが、複数の惑星ごとに文明があったとなるとな。ここで見つかった言語と、チャーリーが所持していたものから見つかった言葉が照らし合わされて、言語解読が進むというのも面白い。五万年前、地球も氷河期だったが、このミネルヴァという星も氷河期だった。氷河期は、この辺り宇宙一帯の現象だったのではないか?というのも面白い。えー、さっきから面白いしか言えてないんだが。そして地球よりも太陽から遠いミネルヴァは、この氷河期というものがかなり深刻な問題だった。このために、他の星への移住を検討する必要が出てきて、見つかったチャーリーたち探索隊はこの使命を帯びて月まで出てきたものと思われる。しかし、ミネルヴァは資源が不足している星だった。技術が発達し、もし他の星へ移住できるとしても、星の全員を移動させるのは無理だ。選ばれしものだけの手段となる。そこで対立が生まれたのではないか。大型輸送宇宙船から見つかる大量の動植物の標本。地球人の祖先に近い品種!お茶でも淹れこよう、といったん閉じた本の表紙刻まれた『星を継ぐもの』のタイトル!星を…継ぐもの!お、面白〜!!!!!!!!!

言語解析が進み、最初に見つかった遺体・チャーリーの日記が解読される。そこで綴られる任務の日々、戦争の状況。彼らの母星ミネルヴァとは一体どこにある星なのか?もしかして地球か?白熱する議論!見つかる物品!新たな議論!それを中立の立場で見守る俺たちの主人公が、木星へ旅立ったところで、本日はここまで。はちゃめちゃに面白いんだが?

読書:星を継ぐもの(その2) / ジェームズ・P・ホーガン

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SF小説ばかり読んでいるせいかな、テラフォーミングしたくなってきた。

ルピシアの2022年夏の福袋で買った「ルイボスレモン」、レモンティーっぽいのに手癖で牛乳を入れるという下手をやらかしたのだが、これ美味しいな。ルイボスって渋くてあんまり飲まないんだけど、レモンがいい感じにスッキリさせていて夏向き。覚えていたら次も買おう。

しかし、本日はお日柄が最悪で、ほぼ台風の大荒れなお天気だった。雨雲はとっくに通り過ぎたはずなのに、長時間風の吹き荒ぶ音だけで戦ってるのもどうかしている。ゲーニッツでもおるんか?

星を継ぐもの / ジェームズ・P・ホーガン

SF小説に出てくる女の学者は「〜だわね」と言う口調が多い、これってトリビアになりませんか?それはさておき、昨日の続きから。月面で見つかった五万年以上前の遺体、通称チャーリー。高度な文明の形跡も所持していたようだし、多分、未来から死体がタイムスリップしてきたとかそういうことなんじゃないかなあ、と辺りをつけつつ読み進める。頭が硬いが「進化上人間の形態をしてるんだからこれはどう考えても地球上の人間でしょ」とメチャクチャ真っ当なことを言ってくる生物学者と、その正しさをやんわり認めながら見つけた遺留品の解析の結果を述べる主人公・ハントくんのバチバチした討論、そしてそれに焚きつけられた各々の専門家たちによる白熱する議論、不可思議だが知的好奇心が掻き立てられずにはいられない未知の現象を目の当たりにして、技術者たちが自分達の意見を述べるシーンがとても面白い。そして、チャーリー以外にも、十数人もの遺体が見つかる。これまた、未知の高度な文明を持つ人間たちの亡骸だった。これらの月人類(ルナリアン)たち多数の遺留品が揃い、多数の専門家がそれぞれの垣根を越えて協力し合う展開、なんか胸が熱くなるな。この小説、こういうSFだったんだ!?ロボットとか加速装置とかが出てくるSFじゃないんだな、これ。

話が進むにつれ、ソヴィエトの名前が出てきて時代を感じてしまった。ソ連がまだあった時代の小説だったんだなこれ?主人公のハントくんが、国連宇宙軍のお偉いさんに「今勤めてるとこ辞めてウチ来ない?君が行くところは、宇宙だと思うよ」と誘われていた。このお偉いさん、百戦錬磨の有能ボスって感じのムーブで、出てくるシーンが読み応えある。それに乗っかったハントくんが、獅子奮迅の働きを見せ、ルナリアンたちの謎に迫り来るまでで本日ストップ。136Pまで。

読書:星を継ぐもの(その1) / ジェームズ・P・ホーガン

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星を継ぐもの / ジェームズ・P・ホーガン

だいぶ前に手にとって放置していたSF小説を読み始めた。裏表紙に書かれたあらすじでおおよそのストーリー導入を事前に知らされているのだが、しばらく読み進めてもその導入まで辿り着かず、いつ始まるんだよ……と、自分の気の短さに気付かされている。ともあれ、頭脳明晰な主人公のハントが、国連宇宙軍のお偉いさんに呼ばれて、月面で見つかった正体不明の遺体(宇宙服を着ているが、5万年以上まえの遺体と思われる)の調査をするところから始まる。ハントくんは、お勤め先で特殊なスキャン装置の開発に成功しており、そのスキャン装置が検死に必要とされてお呼ばれされた。5万年以上まえの遺体なので、下手に動かすとボロボロに崩れるため、動かさずに透視するような感じでスキャンを行い、ハントくんはある一定の成果を出す。例えば、遺体の所持していた手帳に書かれた謎の言語、謎の文字列。おそらく遺体の文明は12進法を使っとるなあ、でも、遺体は我々人間と全く変わらない(10本指)だよなあ、とか。しかし明らかに我々以上の科学技術を持っているとんでもない遺体の発見だったため、ハントくん以外にも色んな分野の人間が呼ばれており、この遺体、通称チャーリーの正体を探るためバチバチの討論が繰り広げられーーみたいなところまでで本日はストップ。P85まで。

ソッカの美術解剖学ノート / ソク・ジョンヒョン

家で文鎮となっていたメチャクチャ分厚い美術解剖学の本。韓国のイラストレーターさんが書かれたもので、当時話題になったときに買ったのだが、私が積極的に絵を描くタイプの人間ではないため、長らく放置をしてしまっていた。こんな高い本(6700円+税)を放置すな。

重い腰を上げて、ようやくページを捲ったのだが、絵を描く人の視点から見た「生物の定義」とかの説明が予想外にとても面白かった。

生物の絵を描くには『生物』を描かなくてはいけない。生きているものを生きているように描かねばならないのだ。では、生物とは何か?それは、「繁殖することができ、自ら生きて行動するもの」だ。生物は動くようにできている。動かなければ生きていけない。一人で生きていくためには、自ら、動く必要がある。では動くのは、なんのためか。繁殖や食事といった生存の欲求のため。また、広く見れば、あらゆる行動は、自分を曝け出して、自分が生きていることへの確認を行うためだ。生きているということは、動くという一連の過程を意味するものではないか?生物は、動くためにある。これを前提とすれば、人体を描くことへの理解が簡単になる。みたいなところまでで本日はストップ。お、面白え〜!絵を描く人が見る生物っていう視点がとても興味深く読むことができた。P25まで。

カテゴライズ・ミー

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部首のはなし / 阿辻哲次

何かをコレクションするとして、その総数が増えるにつれ分類やタグ付けが必要になってくるように、漢字も蔵書と同じように部首っていうカテゴライズがあるんだよ!みたいな説得力で殴られるところからスタートする本。漢字の書き取りするときに、割と部首のことが気になったりするので手にとってみたのだが、いい意味で著者の性格の悪さが滲み出ているところが面白かった。『甘』という漢字の解説ページで、「『甚』は甘いと匹(つがい)を合わせた漢字で、つがいの男女がイチャイチャ甘ったれてる様を示す、これがはなはだしい(過度)という意味」みたいなくだりは笑ってしまった。伏黒甚爾の話してる?(??)

また、常日頃「『炙』や『然』のタにもう一本棒を引いてるやつなんだよ」とうっすら思っていたのだが、月を横に崩した意味であるらしいことも発覚して、だいぶスッキリ。『炙』は月(にくづき)を火で炙ってるのね。そのまんまだったことに気づいてなかった。でも、月には、肉から来る「にくづき」と、天体の月から来る「つき」と、舟を崩した「ふなづき」の3種類の意味が別々あるそうで、お、お前…!とややキレかけた。阿修羅みたいに顔三つ持ってるタイプややこしいな。まあでも、漢字が簡略化された(ついでに纏められた)方が助かるっちゃ助かるか。

さんずいの『治』と、にすいの『冶』の意味の違いなんかも理解できたような気がする。さんずいは水由来、にすいは氷由来、にすいの『冶』を使う冶金は、金属を溶かす(氷を溶かす)ニュアンスなのかな。興味がないジャンルの本を読んで興味を持つのもいいけど、やっぱ興味を持ったジャンルの本を読んで、疑問が解決して、それに納得させられるのも大変楽しい。部首のはなし2も出ているらしいので、これもまた読んでみようと思います。