世界中の梅林止渇を集めてみたい
勉強の効率化?エビデンスのある学習法?そんなことよりまず先に自分で決意するべきことがあるだろ!というような勢いで、いい意味での精神論・根性論を叩きつけてくるお勉強の本。前半がメチャクチャ良くて付箋だらけになってしまった。
勉強とは、常に自分の不甲斐なさ、物分かりの悪さ、勉強をサボって時間を無駄にしたという後悔というネガティブさと向き合いながら、自分を成長させるための行為である。もっと言えば、勉強を決心する瞬間には「熱意」「チャレンジ精神」が必要だし、続けていくには「積極性」「体調管理能力」「集中力」「根気」、逃げない自分になるための「自己説得力」「自制心」なども身に付けなくてはならないし、達成すれば「自信」「目標達成能力」、国語は「語彙力」「表現力」、数学は「観察力」「論理力」「推理力」が鍛えられ、と次々に自分を鍛えるものであり、などと説得してくる文章の熱量と、「夢とはなりたい職業ではなく、自分が生きたい姿である」という締めくくりにグッとくるものがあった。勉強のモチベーションに最適な一冊のように思う。
ぜんぜん関係ないんだけど、三国志の曹操が『見よ兵士たち!もう少し先を行けばうまい梅があるぞ!』と梅で兵士を鼓舞して勢いづかせるシーンが本の中の例え話で出てきた(四字熟語『梅林止渇』の語源らしい)。この梅の話、私の地元の民話にも『ここはかつて徳川の兵が通った際、将軍が疲れた果てた兵士たちに、あの向こうには梅がたくさんなるのだと〜』的な同じようなヤツがあったのを思い出して、メチャクチャ笑ってしまった。これもしかして、世界中に似たようなパターンの梅話があるやつ?