心理学か〜なんか兄弟姉妹間でのそういった論文でもあるのかな、著者は大学の心理学の先生とかなのかな、と思って読んだら、普通に心理カウンセラーを名乗る著者の主観っぽい本だった。そんなことある?現代社会のエビデンスとやらに毒されて生きているため、手相や占星術、血液型占いと同じような「いわゆる現場の統計学ってヤツですよ」理論の新刊に出会うのは久しぶりで、返って新鮮に感じてしまった。
昔、兄か姉が欲しかったなあ〜と言うことを思い出した。
兄弟姉妹がいたり、一人っ子で兄弟姉妹がいなかったりすることは、確かに人格形成に影響を及ぼすだろうな〜と思う。身近にいる人間の影響を受けない方が難しいし、それに染まったり反発したり、嫉妬したり支配を避けようとしたり、そういった反応は各々にあるだろうなあ。その反応を兄弟姉妹の関係まで狭めてパターン化しました、みたいな大衆受けするコンテンツで、週刊女性自身のコラムにあっても全然違和感がない内容だった。
目次から適当にそれっぽいタイトルを拾うと「なぜ妹は姉に嫉妬されるのか」「母も加えた女同士の争い」「弟を巡る母と姉の争い」「同性三人きょうだいの異性化」「なぜ三人きょうだいの真ん中は孤独なのか」「姉がいる弟は女性に幻想を抱かない」などなど。これらのタイトルから連想されるような内容が展開される。
私が10〜20代の頃にこの本を読んでいたら「ウンウンそうだよね……姉と妹の関係はそうなるよね……」みたいな感じで頷けたとは思うのだが、一人暮らしのまま30代半ばを過ぎると、兄弟姉妹が実生活の視界に全く入ってこないから、性格形成や感情抗争云々の話が既に過去の出来事になって忘れてるんだよな。だからこの手の泥沼心理学も、うっすら身に覚えっぽいものがありつつも、とくに実感が湧かなかった。人間の性格はいろんな要素で日々変わったりするからなあ。必ずしも、兄弟姉妹の順番と位置だけで、死ぬまでずっとこの本の主張の境遇だとは思えなかったな。ただ、家族における自分のポジションのパターン化を受け入れることで、認知負荷が下がって気が楽になったり、あ〜これって私だけじゃないんだって思える人もいるだろうから、家族間での互いの距離が近いところにある人や、そういった悩みを持つ人には向いているのかも。
あっでも、私もこれを読んで過去の己の所業を振り返り、被害を受けた母や妹たちには本当にごめんね…と言う謝罪の気持ちは芽生えました!