先日の途中から一気に読んで読了。いや、予想を越えて遥かに良い本だったな。
努力をして17歳の時に世界一位にはなったものの、梅原さんはゲーマーをやめてしまう。続けて選んだのは麻雀の道。やがてそれも止めることになり、今度は介護の業界へ。友人からの誘いがきっかけとなり、去ってから3年でまたゲーマーに戻って、そしてアメリカの企業からプロ契約の誘いが来る。この経歴がしっかり骨としてあり、そこから磨いた仕事術への見解の根拠を肉としてくっつけていく感じなので、話の根拠に納得することができた。納得は全てに優先するってジャイロが言ってたもんな(?)。
・考え続けること、本当に長く、少しでも努力を継続すること。
・自分の取り組みが正しいのか、そこで悩んでしまうのはまだ自信がないから。それでも続けていくと「正しくないかもしれないけど、俺はこれでいい」と思える日がやってくる。
・納得ができるまで突き止め、考えること。お金を稼ぐということが目的ならばこのやり方は効率は悪いだろうが、自分を成長させるということが目的ならば、大事である。効率を突き止めて、戦法をコピーし、そのノウハウだけですぐに最高点の10になることもできるだろうが、10止まりになる。例え時間はかかっても愚直に考え、11、12、13と限界を突破できる人間が世界のプロたちである。
・「(この道は苦しいかもしれないが)こう考えれば楽になるよ」みたいなアドバイスは嘘だと思う、楽をして大きな何かを掴むことはできない。かといって、がむしゃらな努力をしてはいけない。
・今まで「どうして若いうちにしかできないことがあるの?ちゃんと説明してよ」と思っていたが、介護の現場では、歩けないし一人で食事もできない、5分前のことも忘れてしまう人々が当たり前にいて、できることは本当に限られていた。だから復帰して、プロになる話をきた時、できるうちにやろうと覚悟を決めた。
などなど。よくある「自分を成長させる」というテーマが、全く見栄や嫌味のない文体と体験談で語られているので、読み応えがあった。良本でした。