この間、季節外れのお祭りがあると知って出向いたのだが、私が知っている広島や名古屋の大きな祭りと違って、そのお祭りのあまりのクリーンさにビックリした。祭りにクリーンだとかクリーンでないとかある?あったんだなあ……。
そこで開催されていたお祭りは、隠れた陰の匂いがしない、より具体的にいうとショバ代を払っていない感じのお祭りだった。
お祭りと言ったら、30年くらい見続けた記憶のある原色看板の屋台、焦げたソースの匂いが似合うタオル巻いたおじさんたちの笑顔、ぼったくり価格のわたあめ、雑にうまいたこ焼き、ゴムみたいな食感なのに雰囲気で味わえてしまう焼きそばとかがあるはずなのだが、それが一切なかったのだ。そんなことある?
じゃあ何があったかというと、全体が統一されたテントでの出し物、元アナウンサーによる明るい案内、しっかりしすぎているコロナ対策、整備されたゴミステーション、全体的にめちゃくちゃ安い(わたがし300円、ホットドッグ、フランクフルト200円)のに何故かとても上品なお味がする定番品、野菜やみかんの箱売り、見かけない虫たち、騒がない客層、酔っ払いもいない、広々とベンチ並べた飲食スペース、市の職員によるマイナンバーの出張サポートなどなど。マイナンバーの出張サポートて。あまりに市民のことを真面目に考えすぎている。
君たち本当に営利団体か?私からぼったくる気はないのか?もしかして私の知らない間にお祭りの常識変わってたりした?と困惑して周囲の張り紙をよく見たら、地元の産業が開催しているお祭りとのことだった。よ、よかった〜〜〜!!そういえば、敷地も市役所の近辺〜〜〜!道理で!道理で山盛りポップコーン100円とか、あきらかに出店料のかかってない感じの価格設定のお店を見かけるわけだよ!テキヤさんとかじゃなくて、地元のお店が市や商工会の要請とかで出店してるんだな!道理で!食べるものみんな小慣れたお上品なお味がするわけだよ!
地元肉屋の和牛のねぎま串、地域のコーヒーショップのブレンド、落花生店のたい焼き、どれも大変美味しかった。ショバってない新しいお祭りの形式は初めてだったため、最初は慣れない違和感を感じたが、1時間経つ頃には安心して楽しめるようになった。次はショバってる雑なお店の味も楽しみたい。