「2022年」の記事一覧

読書:おはなし りょうり きょうしつ・7 こまったさんのサンドイッチ / 寺村輝夫、岡本颯子

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

▼前回の続き

読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子

あの後調べたところ、こまったさんシリーズは全10巻まで出ているようで、以下のお料理がリストに上がっていた。

(1)スパゲティ(2)カレーライス(3)ハンバーグ (4)オムレツ (5)サラダ (6)グラタン (7)サンドイッチ (8)コロッケ (9)ラーメン (10)シチュー

うーんこの中から次を選ぶなら、サンドイッチが好きかなあ……ファミマのミックスサンドに死ぬほど課金していた時期あったし……と思って、順番通りではないが、(1)スパゲティ→ (7)サンドイッチと、順番を飛ばしてみることにした。さあ読むかと本を手に取ったら……嫌な予感!表紙が不穏!

おはなし りょうり きょうしつ・7 こまったさんのサンドイッチ / 寺村輝夫、岡本颯子

こまったさんは駅の前で小さな小さな花屋を営んでいる。この導入は毎回同じか〜〜と思いはしたものの、よく見たら1巻と、お花屋さんの絵柄が変わってない?建物の形はそのままなのに、季節を変えた感じのペインティング。細かい雰囲気変えで好感が持てる。話の内容は、以前と同じように「起:タイトルに因んだ料理の話題」「承:異世界に飛ぶ」「転:料理という名の力技で捩じ伏せる」「結:夢オチで異世界から帰ってきて、旦那さんに料理を振る舞う日常に戻る」というような流れなのだが、今回の異世界には人喰いの青鬼がいて……おい!!

急にホラー展開じゃねえかよ!!!!!!!!!!!!!!

お料理がテーマの児童書をニコニコしながら読んでいたら、急に注文の多い料理屋めいた不穏な雰囲気が流れ出し、主要キャラクターが人喰い鬼に捕えられ、「きょうは、かわったおへその、にこみりょうりです。ざいりょうは、人間のでべそを十こ……」とレシピが出てくるなんてことあるか?こまったさんってこんなちいかわみたいな世界観してたっけ?ちびくろさんぼもそうだが、古い児童書にときどき出てくる隠しきれない不穏なスパイスは一体なんなんだよ。これが児童書文学だとしたら、大半の子供がチビるだろ!

……エッ?本当に私、児童書を読んでた?困惑のあまり、サンドイッチの話が何も頭に入ってこなかった(サンドイッチ侯爵あるあるネタが出たことくらいしか覚えてない)。あまりにも展開のインパクトが強かったので、また他のシリーズも手に取ってみたい。ネタとしての意味で、大変おもしろい児童書だった。

雑談:あすけんの女の飴と鞭

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閉店間際の薬局に駆け込んだところ、ありとあらゆる惣菜に値引きシールが貼られていたため、つい、つい……!

半額シールが貼られる頃合いのスーパーには入らない!ダイエット中の基本だろうが!

未来さん(あすけんの女の名前)が励ましという名の飴を、13点という鞭を交互に浴びせてくるので、否が応にもやらかしたことを自覚させられた。そしてご飯をお腹いっぱい食べたことによる幸福感と血糖値上昇により、メチャクチャ眠気が襲ってきているので……今日はここまで!(まるでダメ)

読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子

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この児童向けの絵本の表紙、見覚えがある!絶対に読んだことがある!と確信できるものの、内容がサッパリ思い出せず気になってしょうがなくなり、改めて読んでみることにした。

おはなし りょうり きょうしつ1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子

やっぱこのイラストの女性とカラスの感じ、絶対見たことあるって!(2回目)

この本は、お花屋さんを営む奥さんのお話。この女性は「あら、困ったわ」が口癖なので、それを見た旦那さんがこまったさんとあだ名をつけたものらしい。絵本にしてはちょっと長く、ルビありとはいえ漢字も出てくるので、親が読み聞かせをするか、単独で読むならば小学生向けの児童書ということになるのかな。本のタイトル「おはなし りょうり きょうしつ1・ こまったさんのスパゲティ」の通り、今日はおうちでミートソースでも作ろう!というのが主な内容になる。

こまったさん「ひきにくはあるし、たまねぎもあるし、セロリもあるし、パセリもあるわ。よし、ミートソースができる!」

雨が降って買い物に行っていない状況下で、冷蔵庫にセロリとパセリがあるんだ!?明らかに自炊し慣れている、頼もしい奥さんやな……!と感心したり、玉ねぎをみじん切りにするのに水中ゴーグルを使っているのを見て、確かに昭和はこの文化があった……と懐かしんだり、よくよく見たらエプロンのチューリップ柄に妙に見覚えがあったりと(我が家は食卓周りにチューリップモチーフのアイテムを置いていたことを思い出して、いま初めて、当時時代の流行りだったのかもと思い至った)、面白い。

ただ、いざ本を開いても、内容に全く覚えがなかったので、私が読んだことがあるのは別のこまったさんシリーズだったかもしれない。さすがに、作中の『自宅で茹でていたスパゲッティが急に鍋から溢れ出して、お湯でできた川とともに流れていき、気がついたらアフリカに居て、周囲の動物にせがまれるままにレストランで様々なスパゲッティを作った』などという超展開、いくら私が小さくとも多少なりとも覚えているはずだが……!キャラクターに見覚えがあっても、ストーリー展開に覚えがない!

しかしながら、次々に描写される美味しそうな料理の工程に、どんな困った事態にも対応が取れるこまったさんの人柄、やさしいストーリーで、最初から最後までニコニコしながら読み終わることができた、素敵な本だった。また、他のシリーズも読んでみたい。

最後に奥付けを見てみたんだけど、1982年で1刷、1995年で61刷ってやばくない?最新だと何刷だ?このシリーズ、やっぱすごいんだな……!

読書:会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション / 三木那由他

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最近、元少年院で教官をしていたVtuberさん(かなえ先生)の、根気強い対話でいかに少年たちの胸の内を推し量るかというトークに感心して、「会話」という話題に興味を持ち、ちょっと読んでみることにした本。

会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション / 三木那由他

著者の方は、言語やコミュニケーションを専門とする哲学者の先生らしい。この本は、「会話という現象の魅力をフィクション作品を題材にして伝える」がテーマっぽい。既存のフィクション作品(金田一少年の事件簿、背筋をピンと!、ONE PIECE、めぞん一刻、うる星やつら、マトリックス、クイーン舶来雑貨店のおやつ等)から会話を持ってきて、それに対してどのような意味合いを推しはかれるか?という考察が続くものであり、フィクション作品のネタバレの嵐となっていたので(このサイトもそうだが)、ところどころ飛ばしてしまった。いい加減、私は『オリエント急行の殺人』を読まなければならない……!

この本がいうところは、人間が会話を行う場合、主にコミュニケーションとマニピュレーションの混合からなる、という解釈でいいのかな。

コミュニケーションとは、相手の気持ちを押し測ったり「約束事を共有するもの」として使われる。
例えば、久しぶりに会う友人に「元気してた?」と聞いたとして、それに肯定が返って来れば、二人が会っていない間、友人は、なんだかんだ元気していたという情報を『事実』として共有し、今後二人のうちではそれを運用していくことに同意したこととなるし、友人が「元気してたよ、そっちは?」と尋ねれば、私はあなたと同じレベルのコミュニケーションを返せる社会的な人間ですよ、私もあなたのことに興味がありましたよ、みたいなニュアンスを伝えることができる。これが「約束事を共有する」という意味でのコミュニケーションになる…ということだと思う多分。

対して、マニピュレーションは、会話を通して誰かの心理や行動を操作しようとすることである(この場合、悪意や善意、他意の有無は関係がなさそう)。例えば、学校から帰ってきた自分の子供が外に遊びに行こうとする時に投げかける、「あれ?もう遊べるんだ?」の一言で、裏にある「遊びに行くってことはちゃんと今日の宿題終わらせたってこと?違うなら遊びになんていけないよね?それが私との約束だよね」を相手に滲ませて伝えることができる。また、学校の先生が「あの子はいい子だよ、仲良くしてあげたら」という善意の提案も、先生はコミュニケーション、子供にはマニピュレーションの意図になるだろう。

少なくとも、人間同士で会話を行う場合、良くも悪くも裏にいろんなニュアンスがあり、互いに互いの意図を汲もうとすると同時に、自分の希望を滲ませることとなる。これらの状況の例として、いろいろなパターンのフィクション作品のネタバレ含む状況を用いて解説してくれる(言語が違うもの同士の暗黙の了解、自分から自分への対話、互いに嘘だと理解しているが表面上同意する状況、暗黙の了解を維持させることを強要すること、亡くなった人への胸の内など)。コミュニケーションとマニピュレーションは両立する。私も、意識せず「あなたのためを思って」というコミュニケーションの体をしたマニピュレーションを誰かに行うこともあるだろうな……と諦念を抱きつつ、会話という現象について、ちょっとだけ理解を深めることができた本だった。

雑談:ソシャゲ話「大盛況!ももはな飯店」編

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古の時代、Windows95だか98だかの頃に、PCゲーム「ザ・ファミレス」というファミレスレストラン経営ゲームを夢中でプレイしていた時期があり、この影響で飲食店経営シミュレーションがとても好きになった。(また、この時代はPCスペック=ゲームスピードの時代なので、PCスペックで殴る重要さを教えられた)

そんなわけで、スマホの時代となった今でも飲食経営系のソシャゲを見かけるとついつい手を出してしまうのだが、最近は滑り込み事前登録が間に合った「大繁盛!ももはな飯店」というソシャゲをプレイしている。

炒める、煮る、蒸すなどの得意分野を持つ各料理人たちが、スキルに沿った料理を作って金を稼いだりレベルを上げたりと終わりのできないゲーム。多分中国系なのかな。

これがなかなか、「うーん、そんなに時間取られないし、もうちょっとプレイしてもいいかな……強制広告が出ないし……」くらいのちょうどいい塩梅で、ここ数日間のプレイが続いている。大半のソシャゲは1日プレイしたらすぐ消しているのだが、飲食店系のゲームには判断がよわよわになってしまうんだよな。まあ、しばらく飽きるまではやってみようかな、飽きるまでは、飽き…

こわ……(気がついたらスプレッドシートで管理していた)

人間ごときが、ソシャゲの利用をコントロールしようなんて思い上がりにも程がある、という真理を見出して、今日はここまで。