水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます
Twitterのトレンドで流れてきた、Yahooの『脳内「ごみ屋敷」に?スマホ依存がもたらす“脳過労”』というタイトルニュース。脳内ごみ屋敷とはうまいこというやんけ、と思いながら、ちょっとネットを見る時間を減らそうと改めて思いました。
極アウトプット / 樺沢紫苑
インプットにはアウトプットをぶつけるんだよ!
タイトルだけで手に取ったけど、この本よく見たら、Youtubeでたまに見かける精神科医の先生だった。大きい本屋では、代表作『アウトプット大全』が山積みになっているところをいまだによく見かける気がする。
まずインプットとアウトプットの定義から。
・インプット:読む、聞く、見る
・アウトプット:話す、書く、行動
インプットだけではなぜ記憶が定着しないのか?とか色々話があったけど、私なりにまとめると、アウトプットとはインプットしたものを『使う機会』と言うことなんだろうな。使われないものは、忘れられる。使われるものは、文字通り身に付く。インプット型の学習は覚えたつもりになりやすいようだ。
私は漢字の書き取りをしているのだけど、読める漢字は多いのに、いざ書くときに思い出せない漢字が多すぎる現象に日々直面している。マジで分からないんだよな。この間、「飛行機にトウジョウする」の搭乗が思い出せなくて書けない上に、解答を見た後に「なんで塔が乗る意味なんだ?」って首を傾げたもんな。こうしてタイピングして分かるんだけど、搭乗の搭は、高い塔の塔とは部首が違う。漢字は読めてはいるが、区別も朧げで、意味が分かっとらんやないか!
インプット型の学習だけで単語のことを覚えたつもりになっていたし、まあ読めている上に意味も大体わかるからいいだろと思っていたから、こんなやさしい問題で躓いている自分がちょっと恥ずかしい。今までは、「まあ読めればいいだろ、書くときはキーボードの変換があるんで!」と思って生きてきたし、まあ支障は特になかったのでそれでもいいかもしれないが、実際にアウトプットすることでより正確に輪郭を記憶することができるんだなあ、と言うのはよく実感できた。なんの話だっけ?
要するに、インプット、アウトプット、あとフィードバックのサイクルでスキルが高められるよという話かな。インプットは当然大事なんだけど、私の漢字書き取りの例えで言うなら、
1.問題を見る
2.頭の中で「飛行機のトウジョウってなんだっけ?ジョウは乗るなのは分かる。トウは塔…とう…読み方はあっとるが、流石に塔ではないのでは?」と悩む
3.とりあえず手を動かして、塔乗と書いて見て、形に見覚えがあってしっくりくるか試そうとする
4.「あっやばい塔が書けない」と焦る
5.これは検索学習だから、思い出そうとすることが大事…と自分に言い聞かせ、思い出そうとする。多分部首は「土」では?と当たりをつける。城も部首は土だし、昔見た『バベルの塔』の絵のイメージからも土であってるような感じがする。オッケー、土と書いているうちに、塔の輪郭をなんとなく思い出してきた。塔のうち、左側の土と右側の合は書けるが、これだけでは完成してない気がする。いや、それ以前に、やっぱ「飛行機に塔乗する」ではないのでは?若干のイライラみ。
6.この辺で諦めて答えを見る。「塔乗であっとるの!?」あってない。正解は搭乗。よく見ると、部首が土ではなかった。めちゃくちゃ反省し、この後「搭乗」の意味を調べるべく、語源辞典を引いた。ついでに「荅 意味」でもググる。へえー!荅って、あずきなんだあー!
みたいな「情報量とエピソードが多い」みたいな経験を挟むと(アウトプット、フィードバック)、より身につきやすいという話のようだ。これで、あと数年は流石に搭乗が書けると思う。
まあでも、憧れとしては、インプットだけで済ませたいよなあ……。それが一番スマートだと思う。マジでこんな無駄に恥ずかしいエピソード体験しないと覚えられんの?人間は猿か?と言う自己嫌悪も少なからずあるが、この辺りは、時間と労力を引き換えに、刻み込むことで覚えることを良しとしなくちゃいけないのかも。だから、そこまでアウトプットしてまで覚えたいものかどうか、自分の中で前提を整理することも大事なのかもしれない。脳の容量だって、時間だって無限にあるわけではないから、漢字を書くことにそこまでのリソース割けるか?どっか妥協してもいいのでは?みたいな。私の場合は、紙にメモするときのスピードが上がったことと(漢字がわからず筆記の手が止まることが減った)、検索学習が大事だよ!と言うのを思い出すために、まあ一日15問の漢字書き取りくらいなら全然許容範囲、と思ってやっている。
アウトプット(行動する、手を動かす、誰かと話す)は、慣れの回数で精度が上がる。不得意なものでも、単に慣れの回数が足りていない場合もある。フィードバックを挟めば、より精度が高まり、より軌道修正ができる。脳の容量だって、時間だって無限にあるわけではないから、と言うのはインプットだって同じで、情報過多になりすぎないようセーブしていかなきゃな……アウトプットも心がけなきゃな……。と反省させられた。
まあ、情報収集については、興味があることでも興味がないことでも、広く摘んでおいた方がよいと思っている方なのだが(何がきっかけになって閃くか分からんし、その情報を生かすも殺すも自分次第になることがあるので)、せめて時間は区切ろうと思います。あと、大事なことは、多少手間をかけてもアウトプットとフィードバックをすること。この本の内容については既知の情報も多々あったが、改めて考えさせられると言う意味でも、思ったより大分ためになった。