「2022年」の記事一覧

おやすみだあ~!(↑↑↑↑↑)

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

晴れた平日に休みをキメられることになり、キャッキャ喜びながら全ての予定を詰め込んだら、案の定夕方前には体力が尽きていた。でも朝も散歩に出かけられたし、久しぶりにゆっくり外食できたし、梅雨でカビが生えてきたっぽい布団の打ち直しも手配したし、洗濯機も3回回せたから良しとする。

外食をした昼は一品一品出てくるタイプのランチを頼んだんだけど、前菜、スープときてメインが出てくる段階で既に腹5割まで満腹感が来ていたのは新鮮だった。普段自炊しているんだけど、なんかこう喫茶喫飯ができてないというか、いつもの昼食をぱぱっと作って早食いで終わり、みたいな悪い習慣ができてしまっていることに気付かされる。自炊ではなくてお店で食べるというのは、一品一品を味わう時間が与えられるってこともあるけれど、店の雰囲気だったり客の笑い話だったりの全てをひっくるめた情報量が、普段と比べて格段に多いことで満腹感・満足感にも影響するんだろうな。やっぱたまには外食しよう。

忘却の整理学 / 外山滋比古

この先生のお名前、絶対どこかで見たぞ…!と思って手に取った。ググってみたところかの有名な『思考の整理学』を書かれていた文学の先生で、道理で見たことがあるはずだよ。私も数年前に読んだことある。

昭和の昔にはNHKラジオで『君の名は』という番組があって、毎回「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」というフレーズが冒頭であったらしい。新海誠監督〜?

ともあれ、記憶力がいいことは頭のいいことだというのが世間の定説で、学校教育では一生懸命にものを覚えさせようとする。しかし、忘却ということは決して悪いものではない、という先生の主張から始まる本。

忘却というのは、脳の中に溜まったゴミを捨てる行為である。呼吸と同じで、古い空気を吐いた分だけ、新鮮な空気が吸える。食事と同じで、超加工食品だけ取ってはいけない。たまには胃を空っぽにする。大事なこと忘れてしまうのは、大事なこと以外のものも詰め込みすぎているから溢れてゆく。思い出が美化されてゆくのは、忘却によって不要な情報が削ぎ落とされてゆき、思い出したいものを思い出すサイクルができるから。全ての人間が全てを覚えていたら、そこに個性なんてない。何を忘れるかによって個性は現れる。つまり、創造の前には破壊が必要…ってコト!?みたいな感想が湧く。まあでも、先生がおっしゃる通りだとは思う。「成功したことは覚え、失敗したことは忘れることが肝要」というようなことも書かれているが、これは漢字の書き取りをやっていると共感できちゃう。漢字をうろ覚えで書いて、答えを見て間違っていたら、そのうろ覚えで書いた文字は忘れないとまた間違えるし、悩む。頭で正解を覚えるというのもいいけれど、体のほうが記憶していて、勝手に反射的にすらっと書いてくれるならこんなに助かることない。健全な人間活動に際し、記憶と忘却は陰陽の関係だというのは頷ける。

以前読んだ『よい休憩』でもあったけど、やっぱ頭への詰め込み過ぎはダメで、適度に休憩してインプットを断ち、忘れることを受け入れ、マジで忘れたくないことはもう一度復習するなどして刻みつける。その精査は、たぶん森博嗣先生の小説であったような「天才は答えを求めない。計算式を持つ」ってやつなんだろうな。解答や知識を覚えるより、考え方の回路自体を精査するほうが、何倍も応用が効く、みたいな。

今日はここまで!(日中遊び疲れて疲労困憊)

映画:惑星ソラリス(その1)

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SF(ソ連・崩壊してない)

惑星ソラリス / 1972年 映画

SF小説「ソラリス」の映画版(ロシア製)。結構古いやつ。DVDのパッケージの裏側を見たら「1972年ソヴィエト連邦モスフィルム製作」とかあって、この会社があった当時は、まだソ連が崩壊していなかったことを目の当たりにして、メチャクチャ笑ってしまった。そういえば、古いSF小説も大体ロシアは出てこずにソビエト連邦のままなんだよな(SF小説が出た当時はまだソ連が崩壊してないから)。もしかしたらSFってのはソビエトが崩壊しなかった世界線なのかもしれん。

『ソラリス』というのはダブルクロスというシステムのTRPGをしていた時に知った用語で、「なんか精神に干渉してくるやつの意」というフンワリした認識である。

さて50年前の古い映画か、現代の映画のビジュアルになれきった身で耐えられっかな…と失礼極まりない偏見を持ちながら見始めたが、解像度が低いくらいで、特に問題もなかった。画像はカラーだし、音声もぼやけていない。強いていえば、上映の途中で166minか…60+60+46…エ!?2時間46分!?という時間に、ややキョドキョドしてしまったくらいか。これはロード・オブ・ザ・リングに匹敵する長さでは?映画大好きポンポさんを呼んできて、90分映画にリメイクしてくれないか(気弱)

さて本編。父の家に身を寄せている、少し影のある主人公。父に呼ばれて庭から家に戻ると、父の友人の科学者っぽい男に、『惑星ソラリス』の報告ビデオを見せられる。
このソラリスという惑星については、過去十何回も調査を行なっており、目ぼしい成果も無いため、そろそろ打ち切られる気配が漂っていた。しかしながら、今回は異変があったようだ。その異変を報告するビデオの中のパイロットは、霧を抜けた先に奇妙な庭園を見つけ、そこで人間の赤ん坊を見たと言っている。4mほどある巨大な赤ん坊がいた、目は青く黒髪だった、とのこと。報告の途中で、ビデオの中の全員が「こいつ頭がおかしくなったんやな…」って顔して聞いてる。実際、映像ビデオには何も写っていなく、どうやらパイロット自身にしか視認していないようだ。そのビデオの中のお偉いさんたちは、どうやら惑星ソラリスは思考能力を有し、精神に干渉しているようだとの見解。赤ん坊は、ソラリスが干渉見せた幻覚と結論づけた。しかしながら、パイロットは「確実にいた」と訴えるし、それを支持する学者もいた。そう安易な答えを出してもいいのか?そのビデオは途中で打ち切られるが、主人公の父の友人である科学者は、主人公・クリスに見解を求める。しかしクリスはどこか投げやりな返答で、その科学者を怒らせてしまった。

科学者「ソラリスの研究の仕方は、道徳性に立脚した研究じゃないとね」
クリス「非道徳でも目的は遂げられます。ヒロシマのように」
私「ソ連〜〜〜〜〜〜〜〜」

科学者「それでは本末転倒だ!話にならない!(激おこで帰る)」
私「ソ連の真っ当な科学者~~~~~~~」

それにしても、確か前に読んだSF小説の『星を継ぐもの』でもあったけど、会議の途中でバンバン煙草を吸うんだよなあ。この辺、時代って感じだな。
映画を途中で止めるのはどうかと思うが、2時間46分もあるらしいので、今日はここまで!(0時間33分)
映画を見てイメージを掴んだら、積んでいた小説を読むことにしようと思っている。

ジョイサウンドくんへ 天国より野蛮の「愛しすぎてる」のルビを修正して

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ザ・ファブル 1〜7巻 / 南勝久

ザ・ファブルを読んだ───
久しぶりに罫線で変換した───まあ、プロやからな───

たまに見かける『殺し屋はベッドで眠らずに風呂の浴槽の中で寝る』の元ネタここかあ!
ヨウコちゃんはネット広告ネタで散々見たから記憶にあったものの、とうの主人公は全く知らない状態で読んだが、殺し屋ものとして面白かったな。ジャッカルは誰だよ!主人公たち二人が兄妹として共同生活を始め、なんやかんやって小島がケジメつけられるところまで読んだ。女が食い物される展開はどの漫画でも好きになれんなあ〜とは思うものの、主人公のアキラとバディのヨウコちゃん、どちらもいいコンビだから、もっと活躍が見たくなった。少なくともネット広告のヨウコちゃんのシーンを全部見るまでは追いかけたい。

ゼロの日常(ティータイム) 4〜6巻 / 新井隆広、青山剛昌

定期的に安室さんのボケが見たくなる。確か6巻で一度完結だっけ?寂しくなるなあ〜と思ってパラパラ見ていたら、いきなり安室さんが都会の街中で暴れ馬を取り押さえて、そのまま馬乗ってひったくり犯追いかけ、ホースで作った縄で馬上から犯人を捕らえる展開がオモロすぎて声が出なくなった。私、暴れん坊将軍見てる?

背中の毛濃いね(パパヤパヤパヤ)

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週刊少年ジャンプ 2022年29号

毎週ジャンプに助けられている。毎週月曜日は本を読む余裕がないのだけど、おじゃんぴなら読めるからな。サンキュー、ジャンプ。

呪術廻戦188話。主題歌ァ!いきなり純愛私鉄列車の主題歌 is なに。歌詞の「なんとかなるし ならなかったらなんなのよ」好き。あ〜!でも金ちゃんが〜!金ちゃんが〜!エーン死なないで金ちゃん!今ここで倒れたらパンダとの約束はどうなっちゃうの?もう全て上手く纏まって鹿紫雲一時的に仲間になってくれんか?誰か死ななくちゃダメか?ダメなんだろうなあ〜!エーン乙骨先輩なんとかして〜!

高校生家族90話。不良のカチコミに立ちむかった父の一声が「きみ…原田さんとこの…瀬那くんか…!?大きくなったなぁ…!」なのズルすぎるでしょ。普通は高校生ヤンキー漫画で、敵のカーチャンと飲み会に行くほどの社会関係があったりせんのよ。

僕のヒーローアカデミアNo356。この漫画、読むたびに精神ダメージを負うので、立ち向かえる時に立ち向かっているのだが、今週もやっぱり…なんか…!もう誰かエンデヴァーを救ってやってほしい。私は毎週、明るい一週間の始まりを求めて月曜のジャンプを読んでるのに、なんでこんな毎回辛い思いしてんだ。頼むよヒーロー!俺を助けろ!

全体的に波の激しいサーフィンみたいな本

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話がつまらないのは「哲学」が足りないからだ / 小川仁志

タイトルを見て、「ほーん?大学にお勤めの学者の先生がそうおっしゃるなら」と何も考えずに手を取って読んでみた。

まず最初に、第一印象が「ビジネス書みたいな目次しとんな」だったし、著者が主催している哲学カフェとやらの話は「あっ、まさかセミナーに人を集める系のやつ!?」と焦りを感じたし、古今東西において哲学者はみんな話し上手だった!あの有名な哲学者も、この人も!と言う論調に対しては「それは……いわゆる生存バイアスとか言うやつなのでは……」と疑心暗鬼に陥った。相手にわかりやすく例え話をせよと言う下りについては「例え話多用してくるタイプの人間と話していて、その例えわかりやすい!って思ったこと記憶にない」と言う感想が出てしまうし、仕事やプレゼンで使える哲学テクニック!と言う章については「私と解釈が違う……」と悩んだ挙句、読み飛ばしてしまった。大学で准教授をされる前は商社マンだったと言う経験をふんだんに活かして執筆をされていることは伝わってくるが、この本のタイトルを見て知りたくなったのはそういう情報じゃないんだよなあ……と言うズレを常に感じていた。なんだろう、話の中身がつまらないのはあなたの考えがないからだ、みたいな本かと思っていたら、プレゼンやコミュニケーションにはこの哲学を武器として使うテクニックがあります!と言うビジネス書だったというか。最後はそのズレが楽しくなってしまったが、かといって何かが記憶に残るタイプの本でもなかったかも。

でも、章のテーマに沿った哲学の豆知識みたいなのは面白かったな。「ヴィトケンシュタインは、コミュニケーションとは、実は相手の言葉の意味を解釈するゲームのようなものといいます」「相手が話す文脈は、対話している相手の人生そのものとも言える」とか。そう言うところは、ふむふむと頷ける本でした。

英才を育てるための小学校「国語」副読本 / 石井公一郎、萩野貞樹

小学校の国語の教科書ってそういやどんなことを教えているんだっけ〜多分これを読めば教養の基礎がなんたるかが解るだろう、と安易に思って手に取ったはず。前書きの理念の段階で「現行の国語の教科書は古典にいたしむ基礎を築く意欲に欠けている。言語空間が狭まって情緒が貧困になり、それが倫理性の低下をも招き寄せている!」みたいな、だいぶ主張が強い文章だったので、やや不安になりつつページをめくった。そういえば、タイトルに英才を育てるための云々って書いてあったな。大丈夫か?大丈夫そうじゃないな。でもまあ、確かに「漢字は児童にとって難しいものだ・負担をかけているという配慮で作成された現行の国語の教科書はどうなのか?」と言う主張は一理あるとは思う。私も「かっこうのがっこう」みたいな一文は「カッコウの学校」みたいな書き方してほしいと思うもんな。とか思いつつ、パラパラ眺めてみた。

高野辰之の「春が来た」。日本古謡の「さくら」。浦島太郎の物語。論語の「学びて時にこれを習う〜」。童謡の「うれしいひなまつり」。「あいうえおの歌」、「春のうららの〜」、平家物語「祇園精舎」。「春眠暁を覚えず」。「春はあけぼの」。ファーブル昆虫期。ヘレン・ケラー。あおによし。「奥の細道」。うんうん、どれも日本人には馴染みのあるやつだな。
逆に、旧誓約書の「ヨセフの夢解き」、ギリシャ神話の「テセウスの冒険」が出たあたりは、オタクだからなんとなく知っている話ではあるが学校で習った覚えはないかも…!この本は副読書だから実際のところはわからんが、今の子は習う機会があったりするんだ?と新鮮さを感じた。

めちゃくちゃ首を傾げたのは「良寛さん」。紹介されている「お父さんの仕事はお兄さんが継ぐことになっていたので、幼い身で近くの寺に弟子入りすることになりました」と言う一文で、エ!?そんな生い立ちだっけ良寛!?!?良寛は名主の跡取りだったけど、性に合わない仕事の途中で全てを投げ打ち、両親の反対に抗って寺に入ったと記憶しているが……!?と脳内に駆け巡る良寛情報。い、いいんじゃないか!?本当のことを教えても!嘘の情報を教えると信頼含め後々いろんなことに手間取るぞ……!そもそも子供の真の力をナメちゃダメ、ちゃんと難しいことも考えさせろ、それが成長・教育というものだみたいな主張の本じゃなかった!?と一瞬めちゃくちゃこの本の意義について考えてしまった。そして、その後に出てくるこの本の偉人たちのエピソードについて全て疑いの目を向けるようになってしまった。だ、大丈夫か?先程の旧誓約書もギリシャ神話も、フワッとした知識しかないから正しいか分からないんだけど、適当な解釈しとらんか?

やっぱいきなり副読本とか読んでる場合じゃなくて、ほんとの現行の国語の教科書読んでからが正しい読み方だったかもしれん。まあ、色々思うことはあるけれど、日本の基礎教養的なものを再確認できたのは面白かったな。教科書ちゃんと残しておくんだったなあ。