「2022年」の記事一覧

憧憬をショウケイって読むのは知ってる、憧憬破綻世界に教えてもらった

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月曜日なのに、おじゃんぴが無いなんてことある?いっぱいかなしい。

知るほどに深くなる漢字のツボ / 円満字二郎

漢字の豆知識みたいなの教えてくれるやつかな、と思って手に取った。気軽に読めそう!とか思っていたのだが、日本語を殴りたくなるようなややこしい漢字の歴史が学べ、両手を顔で覆いたくなった。

・音読みと訓読みの違い。漢字はそもそも漢文を表す言語を日本に持ってきたので、その本家中国の漢字を日本風にローカライズして読んだものが「音読み」。訓読みは、「左(サ)って中国の言葉、日本語でいうところの『ひだり』では?」と翻訳した読み。ローカライズした言葉とローカルの言葉の翻訳語を同時に使うんじゃない。

・湯桶読み・重箱読みと言う、音読みと訓読みをゴチャませにした規則がある。訓読みが先に来る「湯桶(ゆトウ)」、音読みが先に来る「重箱(ジュウばこ)」。これの読みは、「本代(ほんダイ)」「相棒(あいボウ)」「極細(ゴクぼそ)」などが例に挙げられる。

・同音異義語「対象」「対称」「対照」、すべて読みはタイショウだが、平安時代では「対象(タイシヤウ)」「対称(タイシヨウ)」「対照(タイセウ)」と違っていた。いつの間にかなんか単純化された。これだから日本は読み書きが先で、話し聞くが後になるって言われるのでは。

・漢字の書き順って何か意味があるの?という疑問に対して「書き順で人に違和感を与えないテーブルマナーのようなもの」「慣習的に美しいと思われる順を教えられるが、媒体によって書き順は違うこともある」「ちなみに『取』という漢字は書き方が二通りある。『必』に至っては三通りある」とのこと。め、めんどくせえ〜!

・同じ頭でも、「頭(ズ)痛」「頭(トウ)髪」「饅頭(ジュウ)」と読み方バラバラな理由としては、シンプルに中国の時代に背景によるもの。中国先輩は領土が広いので方言も多様だし、読み方も多様、民族も多様、その上すぐ滅ぼされたり統一されたりする、日本も遣唐使から漢字を持ち帰った時代はそれぞれ違った、という背景を踏まえつつ、西安の方の漢音をもとにした頭の読み方が「ズ」、南京の方の呉音の読みが「トウ」、やや珍しいが唐音もあって、これが「ジュウ」とのこと。や…ややこしい!まあでも英語でもあるから……歴史ってこういうことだよな……

・そんな音読みくんだが、「三位一体(さんみいったい)」=サンイイッタイだと発音しづらいから三位のサンイをサンミしたろ!とか「安穏(あんのん)」=アンオン言いづらいからアンノンにしたろ!などもやらかす。まあでも、これは他言語でもよくあるからいいかあ……。と段々ガバガバになってくる。

・八世紀ごろ、時の朝廷から「地名は縁起のいい漢字二文字にしてね!」とのお達しがくる。こういうので「泉(いずみ)」が「和泉(いずみ)」になったり、「倭(やまと)」が「大和(やまと)」になったりしたらしい。そういう理由で!?

まだ半分も読めてないが、漢字の歴史が重大なポイントはこれだよ!って重めのジャブで畳み掛けられてダウンしたため、今日はここまで!

ち、違…俺そんなつもりじゃ…

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ひとりでしにたい 3〜4巻 / カレー沢薫

カレー沢薫先生はTwitterでちょいちょいお見かけしていて、へしきり長谷部狂いの人またはFGOの新撰組副長沼の人という印象がある。芸風はコメディの漫画家の方で、コラムニストとしてもご活躍されており、たまに思い出してはコラムをいっぺんに読み漁るとかしている。『人生で大事なことは、みんなガチャから学んだ』というエッセイ本も読んだけど、面白かったな。文章だけでも十分に面白いのだが、この『ひとりでしにたい』というのは本業の漫画の方で書かれたやつで(??)、確か1〜2巻あたりまでは読んだ覚えがあった。今朝方、そういえば続きは…!?と思い出したようにKindleでポチってしまった。

この漫画は、主人公のアラサー女子がかつて憧れていた叔母が、自宅の風呂場で孤独死していたことをきっかけに諸々考え、後輩に厳しいダメ出しを喰らいながらも「ひとりで生きてひとりで死にたい、いやできれば猫と!」との結論に行った主人公のコメディ終活話。ジャンルは終活でいいのか?自信がない。自信があるのはコメディの分野に入るであろうというだけなんだよな。

終活を始めようとする主人公はまだ30代なので、己の終活より親の終活の方が早いじゃんという話の流れがあり、3・4巻は親の定年退職&熟年離婚危機、iDeCoやNisa、老後の家計の支出の話がメインなのかなという感じ。芸風の合う合わないはもちろんあるかとは思うが、このような話をギャグタッチで展開してくれるのは、気持ちが重くなりすぎずに助かる。邁進する主人公の傍にはエリートの後輩が居て、毎回メチャクチャ正論パンチで殴られているんだけど、主人公も自分で考えたり反省したりとりあえず行動してみたりと、渋々ながらも次々に可視化されてゆく問題を直視する姿勢が頼もしくて好き。

そんなこんなで漫画も面白かったな〜、Twitterで感想とか漁ってみよう!と思って、『ひとりでしにたい』と検索したところ、以下の状態になってしまった。

WordPressのテーマ、何もやってないのに壊れた

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適当に改造したのが悪かったのか?(そうだよ)

漢字なりたちブック 4年生 / 伊東信夫、金子都美絵

漢字なりたちブック、4年生になってから急にページ数が多くなってない!?
1年生の時は、1日くらいでのんびり読めたのに、全然読み終われないから気持ちが焦ってしまった。ともあれ、今回も面白かった漢字の成り立ちをピックアップしたい。

P181「念」。なんか『今に集中せよ』系啓発本でよく言われる「念は今と心の漢字からできており」云々がイメージにあったんだけど、(諸説あるのは承知の上だが)普通に「今というのはここでは入れもののことを言う。心を固く閉じ込めておくこと、心の中で思うこと」と解説されていて笑ってしまった。割と「ここの漢字は音を拾うだけで特に意味とかないです」系が多くて面白いんだよな。

P185「本」「末」「未」。これらの成り立ちは解説前から推理ができており、まあ当たっていたので嬉しかった。木の根元に何かある「本」、木の先端を意味する「末」、木の途中にあってまだまだ伸びるさま「未」。

P193「票」。亡くなった死者を両手で持ち、それ火葬する時の様子から、じゃないのよ。また物騒な成り立ち!火の粉がひらひら舞う=ひらひら舞うものを表す=票みたいなことなのね。

P195「不」。花がしおれる様から。へー!

P201「副」。畐は中身の詰まったタルで、リは刀を意味する。刀でタルを真っ二つにして、一つを「正」もう一つを「ひかえ」にする様から。へー!

P209「法」。裁判に負けると、川に獣と一緒に流されるらしい。物騒!

P214「民」。他所から捉えられてきた人が目を潰されて、神に仕える僕になる、その人を民という。目を針なようなもので差している形。盲目ってことかな?急に「国民による国民のための」云々がホラーに感じるようになるのよ。

P232「例」。なんかいやな予感はしてた。だって「歹」と「リ」だし。絶対にろくな成り立ちじゃない、と思いながら読んでいたら、「人の首を並べて埋めた」みたいな解説がきて、予想通りで楽しくなってしまった。こんな大人になるつもりじゃなかったのに。

今回も面白かった。次は5年生!

月を見るたび思いだせ!

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安井邦彦さん(声優)のファンなので、FGOでヘクトールを見るたびに「あずきちゃんのパパの八神庵の声や」と思ってしまう癖があるのだが、今回は途中でそれを忘れるほどに話に夢中になってしまった。そうだった、私はトロイアだったな……!

三越も同人誌出すんだな

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こうやって、考える。 / 外山滋比古

200万部くらい売れたロングセラー『思考の整理学』で有名な大学教授の方の本。直近で同じ著者の『乱読のセレンディピティ』を読んで面白かったことと、Kindle Unlimitedに入っていたのでポチった。助かる〜(懐が)と思って読んでみたんだけど、『超訳ニーチェの言葉』みたいな、これまでの著書の中からいい教えをピックアップして載せる方式の本だなこれ?まあそれでも、最近この著者の本を幾つか読んだことが幸いして、名言に至るまでの文脈は自力でまあまあ思い出せたため、適度に深読みもできて、面白かった。

以下メモ。

・本は読みすぎるな、知識の量に反比例して、思考力が低下する、と言っても良い。(いつもの先生のやつね)
・発想の面白さは化合物の面白さであって、ありふれた素材と素材とが思いがけない結合、化合を起こすというのが発想の妙である。元素(オリジナリティ)を作り出すことではない。
・知識というのは、そのまま使わず、寝かして変化を起こしたり、忘却によって整理・純化されることを待つことだ。正確ではなくなるかも知れないが、生産性を獲得するし、思考に役立つ。
・日常生活の改造無くして知的生活はあり得ない。
・専門が被らない、知人程度の認識の三人以上とお喋りするのは、ひらめきの活性化に良い。頭だけではなく、喋りながら、声にも考えさせよ。

みたいな感じだったと思う。たまに見返せば十分な本かな。(良い意味で)


説明「ロイエンタールとミッターマイヤーが街を歩いているときに偶然『三越』で見かけたイヤーカフ」
私「???????」