水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます
メチャクチャ目立つ位置に置いてある、時事ど真ん中の『ウラジーミル・プーチンの頭のなか』という本を手に入れたんだけど、やっぱこの本を読む前にロシア史の最低限の知識はいるか……?と余計なことまで気にしてしまい、とりあえず先に読むことにした本。パラパラと見ていて、「おや、ロシアの成立は13世紀から!?じゃあもしかしてそこまで長い歴史を覚えなくてもいい!?」という邪心が芽生えたので、勢いに乗って一気に読んだ。とはいえ、まあこのビジュアルとページ数であれば、2〜3時間くらいあれば読めるだろうと思っていたら、普通に4時間くらい掛かってしまった。甘く見てすみませんでした。
ロシア史-キエフ大公国からウクライナ侵攻まで-
ロシア史のことは全く詳しくなくて、有名人とその前後の出来事でなんとなくうろ覚えしている程度のもの。例えば雷帝イヴァン4世、エカチェリーナ2世(愛称カチューシャ)、ピョートル一世(異国で働いてまで文化を取り入れようとした)、ロマノフ朝(王家の遺伝病に興味があり、血友病周りのエピソードで末路まで調べたことがある)、スターリン。文化で言えば、文学のチェーホフ(短編小説『ねむい』怖過ぎて泣いた)、ドストエフスキー、クラシックバレエ、あとウォッカ、その辺くらいまでかなあ。
そういうわけでこの本は、既存の点と点を繋いで線にしたり、新しい点を増やしたり、時系列と物語で覚えたり、ということを心がけて読んだ。
以下、興味が湧いたところのメモ。
・ロシアの農奴制の話。あれ!?先日、ポルトガル史含むヨーロッパ圏の荘園制度が分からんので調べたときに聞いた農奴制の話では、中世で終わった制度だと思っていたのだが、ロシアは割と近代に近いところで取り入れているんだな。既存の農奴制を強化したのはピョートル1世。ピョートル1世に対する若干のポジティブイメージ(自国の文明強化のために異国に行ってアルバイトをしてたりしてた)が崩れてしまった。貨幣経済が発展して以降、農奴制は廃止されてゆくものだが(農奴を土地に拘束すると工業化が進まないのが主な理由だとか)、さすが社会主義の国だなって感じもする。そして思い出したぞ、コルホーズだ……。
・ロシアのトップの役職名は「書記長」(スターリン書記長とかね)、中国や北朝鮮での役職名は「総書記」、社会主義における書紀の権力がヤバい説。
・基本的に個人崇拝(英雄崇拝)の風習?があり、強力なトップが国を治める。フランス革命が起きて、自由と平等という人権を訴えられる世の中になっても、ツァーリズムは維持された。
・神聖ローマ帝国が東西に分割→東側はビザンツ帝国(コンスタンティノープルは第二のローマってやつね)→そのビザンツ帝国の最後の皇帝の姪を娶ったのがモスクワ大公・イヴァン3世(雷帝の祖父かな?)、モスクワは第三のローマと呼ばれる。知らんかった。
・東方正教なんのこっちゃと思っていたけれど、この流れでなんとなく分かってきた。東ヨーロッパに広がったキリスト教諸教派、ギリシア正教、東ローマであるビザンツ帝国経由?いや、分かっとらんかった。混乱してきた。後で読み直そう。
・ポーランド分割!!!!!!歴史解説動画とか見ていると避けられないポーランド分割!!!!!!ここなんだ!?!?!
・南下政策の目的は不凍港の獲得にある。アレクサンドル2世の暗殺。この辺りが出てきた時、ゴールデンカムイで見たやつだ!!!!とテンションが上がってしまった。(漫画1)
・ツァーリの権威が失墜した『血の日曜日事件』、これも聞いたことあるやつだ!ナナマツサンバツで!(漫画2) これで『血の日曜日事件』についてはなんとなく分かった!という気でいたら、Wikipediaの一覧を見た時、二度見してしまった。血の日曜日(日曜日に発生した流血事件全般を含むので10件以上ある)多過ぎんか?
・チンギス=ハンとオスマン帝国、どこの歴史見ても急に出てくる上、なんか無闇に強すぎ問題。そしてオスマン帝国、結構最近(1922年)まであったんだな。相当ウケたらしく、メモに「オスマン、まだいるの!?オスマン!!」って殴り書きしてて、見返した時笑ってしまった。
・後は、キエフ大公国の周り。ロシアの起点はここにある、という話はテレ東の解説動画(豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス)で見聞きしていたが、改めてこういう歴史だったんだなということが知れた。
力尽きたので……ここまで!(息切れ)
まあこんなご時世でなければ、ロシア史を知りたいなんて思わなかったかもしれないから(マリア・タチバナの国だな〜くらいしか思わなかったかもしれない)、なんか、なんかこう……。ポジティブな機会ではないから、心情的にブレーキがかかってうまく言語化はできないのだが、何か起きた時には、その何かを考えるきっかけになる、という意識は持つように心がけていきたいなと思った次第です。