読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子
この児童向けの絵本の表紙、見覚えがある!絶対に読んだことがある!と確信できるものの、内容がサッパリ思い出せず気になってしょうがなくなり、改めて読んでみることにした。
やっぱこのイラストの女性とカラスの感じ、絶対見たことあるって!(2回目)
この本は、お花屋さんを営む奥さんのお話。この女性は「あら、困ったわ」が口癖なので、それを見た旦那さんがこまったさんとあだ名をつけたものらしい。絵本にしてはちょっと長く、ルビありとはいえ漢字も出てくるので、親が読み聞かせをするか、単独で読むならば小学生向けの児童書ということになるのかな。本のタイトル「おはなし りょうり きょうしつ1・ こまったさんのスパゲティ」の通り、今日はおうちでミートソースでも作ろう!というのが主な内容になる。
こまったさん「ひきにくはあるし、たまねぎもあるし、セロリもあるし、パセリもあるわ。よし、ミートソースができる!」
雨が降って買い物に行っていない状況下で、冷蔵庫にセロリとパセリがあるんだ!?明らかに自炊し慣れている、頼もしい奥さんやな……!と感心したり、玉ねぎをみじん切りにするのに水中ゴーグルを使っているのを見て、確かに昭和はこの文化があった……と懐かしんだり、よくよく見たらエプロンのチューリップ柄に妙に見覚えがあったりと(我が家は食卓周りにチューリップモチーフのアイテムを置いていたことを思い出して、いま初めて、当時時代の流行りだったのかもと思い至った)、面白い。
ただ、いざ本を開いても、内容に全く覚えがなかったので、私が読んだことがあるのは別のこまったさんシリーズだったかもしれない。さすがに、作中の『自宅で茹でていたスパゲッティが急に鍋から溢れ出して、お湯でできた川とともに流れていき、気がついたらアフリカに居て、周囲の動物にせがまれるままにレストランで様々なスパゲッティを作った』などという超展開、いくら私が小さくとも多少なりとも覚えているはずだが……!キャラクターに見覚えがあっても、ストーリー展開に覚えがない!
しかしながら、次々に描写される美味しそうな料理の工程に、どんな困った事態にも対応が取れるこまったさんの人柄、やさしいストーリーで、最初から最後までニコニコしながら読み終わることができた、素敵な本だった。また、他のシリーズも読んでみたい。
最後に奥付けを見てみたんだけど、1982年で1刷、1995年で61刷ってやばくない?最新だと何刷だ?このシリーズ、やっぱすごいんだな……!