読書:発達障害サバイバルガイド / 借金玉
この間、月間スピリッツを読んだ時に、たまたまカレー沢薫先生の『なおりはしないが、ましになる』という発達障害についての漫画を見た。発達障害については正直なんも知らんのだが、人の心がわからないことについては自覚があるので、とりあえず参考までに……という動機で、前々から気になってはいたこの『発達障害サバイバルガイド』という本を手に取ったのだった。これが思いのほか、とても良かった。シンプルに生活する上でのライフハックについて、メチャクチャ強力な方法を提示して来る……。そうか、発達障害者が見るという前提で書かれた本で、これだけ堅いシステムを組んでるなら、そりゃあ大体のヤツに効くに決まっとる。うっかり付箋まみれにしてしまった。
とはいえ、流石に私も30代半ばを過ぎたところなので、本の内容の三分の一くらいは、これまでの人生でなんとなく自分でもやっていたことはある。しかしながら改めて言語化されるとよりシステムが強固になっていく気がして、一度自分の生活について考え直す良い機会になったと思う。
この本が提示しているのは「より楽な、より快適な、より優雅な生活」。
これらのやり方について、「生活環境」「お金」「習慣」「在宅ワーク」「服」「食事」「休息」「うつ」の8つのテーマを絡めてガイドしていく、というのが大まかな内容になる。
以下、自分のことを振り返ったメモ。
(1)生活環境
設備投資できない病、これだあー!!!!!仕事周りについては、機能性の高いパソコンでいかに効率よく仕事をするかや、ドライアイ対策に加湿空気清浄機を横に置いたり、定期的な換気を行ったりと気を配れるんだけど、自分の身の回りの生活に消費する時間効率については後回しにしてしまう……!!食洗機、電子レンジ、炊飯器、ガスレンジ、乾燥機付き洗濯機、うちにない時短家電の数々よ。家事があまり苦にならない方なので、気分転換と考えるやり方で落ち着いてしまったが、そうだよなあ、仕事も生活の上で成り立っているんだから、仕事以上に生活の環境を整えなきゃいけない。自分の体が一番の資本なんだからな。人生をよくするのは努力ではなく設備投資、その通りだった。メチャクチャ反省したし、ゲームで学んだことを何も活かせてないことに気づいてしまった。ゲームではあんなに、楽になるための設備投資(装備・レベリング・ガチャなど)にマネー回せていただろ!
(2)お金
そんなに儲かっているわけではないのだが、何せ私はフリーランスで、自分で確定申告をしなくちゃならいということもあり、常にデビットカードとマネーフォワード先生に依存している。そのおかげで、まあまあ支出については管理できている……余剰資金で積立NISAとiDeCoもできとる……とは思う。ただ、生活環境の時にも思ったんだけど、つい光熱費がケチれないか考えちゃう悪癖があるなと気づいてしまった。必要なものをケチる、というのは、心身に良くないに決まってるんだよな。だって必要なものだぜ!?毎日確実にぶち当たる事態に、毎回ネガティブな思考を働かせるのは、どう考えても認知資源が勿体無いに決まってるのよ。私は自分の努力とか根性とかを当てにし過ぎている。人生をよくするのは努力ではなく設備投資……!(二回目)
(3)習慣
これについては、30代に入ってから、何事も長期戦でコツコツ挑む癖がついてきたので、実践できているかも、と思っていたけど「習慣にしたいものをエブリデイボックスという箱に突っ込んで、1日1回の眺める」は革新的だったかも。毎日Googleカレンダーを眺める、またはスマホのアプリのアラームとかをトリガーにして何かをする、みたいなことをしていたが、それよりスマートな方法かもしれない。というより、私は「物理的に視界に入る」ものの存在の強みを生かしきれていないなと思った。否応なく視界に入ってくるものを置いてみよう。
(4)在宅ワーク
ここ数年は在宅ワークで自分なりに対策を練ってきたこともあり、これはまあ、大丈夫。たぶん。繋がっていたい人に、もっとお菓子を送ったりするようにしよう。
(5)服
他人の目がない+ユニクロ+アップルウォッチなので最強!最強です!
(6)食事
これも問題なさそう。調理理論と栄養学は昔習っていたし、基本野菜は皮ごと食う、生協コープで一週間分の食材を買っている、予定とは違うけど美味しいもの食べてえ〜〜!!!美味しいものつくりてえ〜〜!!ってなったら外に出たりはする。
(7)休息
これもできている!と言いたいところだが、ちょっと怪しい。完全在宅ワークのフリーランスなので、仕事とプライベートの境目がない。そして美味しいご飯をゆっくり食べる、お茶をゆっくり飲むという喫茶喫飯が、なんかできないんだよな……と日々反省してしまっており、ちょっと心のしこりになっている。スマホや動画を見ながら休憩っぽいことをしてしまう癖がついているんだよな。そしてそれをやめたいと思っているのに、辞められない。春と秋は、気ままに手ぶらで散歩へ行くという趣味があるから良いのだけど、ただ自宅で過ごすしかない夏と冬がどうも……。最後の方にあった「多くの楽しさは、技術的習熟の先にしかない」「人生は、少しずつ楽しくなる」というところは、本当にそう思う。
(8)うつ
10代20代の頃は、もっと社会や人と上手く付き合っていかねば!という気持ちが先行していたが、30代になって自分にとって適切な他人との距離感が分かるようになった。鬱っぽい気分になる原因に対しても、逃げたりスルーしたりすることができるようになり、悩む時間が減って、そのぶんいろいろ考える時間が取れるようになった。ようやく生きていくのが随分上手くなってきたと感じるし、40代に入ればきっと、もっと楽しくなると思いたい。
などと振り返ったときに気づいたのだが、ここまでやってこれたのは、私自身の努力というよりは、思考するゆとりが取れるようになった状況・環境の恩恵がだいぶデカい気がする。やっぱ、時間と気持ちの余裕を生み出すような、環境に対する設備投資が大事だな!?!?一番最初の課題に戻ってきてしまった。仕方ねえ〜〜〜〜〜自分と生活に対しての設備投資に金を使ってみるか〜〜〜!!(諦念)