山を舐めると死ぬ、それはそう
かなり昔に、いつか読むぞリストに突っ込んでいた漫画。この本は、もともと実在の登山家をモチーフにした原作の小説があるっぽく、それをアレンジして漫画化になったっぽい。
確か登山家の主人公が一人山に挑む感じで、ヒロインが風俗落ちするみたいな事前情報は仕入れていたのだが、まあまあその通りの内容だった。途中まではなんだか爽やか青春部活ものっぽい雰囲気があったので、「おや?もしかして違う漫画読んでる?」と首を傾げたら、急に、マジで急に、地獄の道に行くじゃん。なにこの急展開の角度のエグさ…!?と思って読み終わって調べたら、やっぱ途中から原作変わっとんのよ!道理で!
恩師は死ぬし、出てくる連中の大半がクズだし(1巻で出できたヒロインは風俗落ちして、ライバルポジションの男は詐欺師オチ、命を預け合う仲間の裏切りも多々)、バトル漫画よりも多く人が死ぬし(登山仲間は大半が死んどるが!?)、も〜〜〜!!最後まで信じられるのは嫁と大学の先生だけ!!こういう人間関係のクソみたいなしがらみのある下界を振り切って、ただ一人命をかけて山を踏破する瞬間にすべてを賭けようとした主人公の気持ちは分からなくもない……と言いたいところだが、主人公も主人公でかなり極端な思想なので、まあ……山以外何もなくてよい、という思考の脆さは見ていて不安になったし、案の定社会でうまくやっていける気配もなくて、ずっと見ていて辛かったが、うん、うん……。でも、途中で「俺は不死身の森文太郎だ」みたいなの出てきた時、金カム思い出して笑ってしまったな(おそらくこの登山家の方が先)
Youtubeでもたまに登山家の遭難事件の動画とか見たりするんだけど、見たものの半分以上が登山家が死ぬ有様だったりするので、私は、絶対に山には登らねえぞ!という強い意志を育んだまま読了した。無理だよ山〜〜〜〜クマもいるんでしょ〜〜〜〜!?まあでも、この漫画はとても面白かった。絶対山には登らないが。