そういや合歓の花ってちゃんと見たことないかも
図書館で借りた、個人の短歌をまとめた本。本屋では買えないタイプの個人が発行している同人誌(印刷所と著者の住所が奥付にあるやつ)だったので、とても懐かしく思い、借りてしまった。いやー、地元の情景を短歌にしているってすごくグッと来るものがあるな。明らかに見たことがある場所の写真とともに、ここで生まれ育った人生と情景で短歌作りました!と言われると、なんだか気持ちリアルに思い浮かぶんだよなあ。最近、地元の民話を聞いたりと、地元由来のあれこれに興味を持ちだしているんだけど、この行動は当たりだったと思う。メチャ楽しい。気に入った短歌は以下の通り。
葉を閉ざし夕べをひそと咲いている合歓咲く七月わが生まれ月
さざ波に 映る夕日の影ありて夢にたつ旅の海は恋しき
芽吹くもの紅も緑もみな淡く春の光を彩りてゆく
歌集 合歓の花 / 阿形志津
シンプルに、私も植物とこの辺りの海と夕日が好きだなーと言う趣向の一致と、この方、孫のことや福祉のこと、戦争、亡き夫、旅路の思い出を短歌にしているページもあったりで、短歌で人生を綴っているのすごくいいな〜とても好き〜と思ったりした。芋蔓についての話を見た時は「ああ〜!静岡の民話で見たやつ!この辺り、芋関係の話があったよね!」と、以前読んだ地元の本から得た伏線がちゃんと回収され、なお楽しい。終始しみじみと読むことができた。
この本とは全く関係ない話をするんだけど、合歓といえばeuphoriaだなあ。以前、ペルソナでも、同じように「眠る少女が見る幸せの夢が、あまねく全てに伝播する。その少女が夢を見ている楽園への扉がどこかにある」みたいな設定があったことで、このゲーム共通の元ネタ絶対にあるはずやん、なんだろう?イギリス小説っぽい……と思ったまま、それから先一向に情報を集められず保留になっていたんだけど、案外日本の小説とか民話なのかもしれないな。