Lemonが数多くのカプ厨のイメソン餌食になったって話?
アンナチュラルってドラマあったじゃないですか。米津玄師のLemonを主題歌にしてたやつ。あのドラマ、実家に帰った時たまたま最終回をやっていたので流れで見たんだけど、途中で「妙だな……テトロドトキシンには解毒薬はない(現在まだ見つかっていない)が……?」と漫画とかで培ったオタク知識が活きた瞬間だけ覚えてる。なんの自慢話?
ともあれ、この著書は、イギリスの医学者が死因を特定するために遺体の解剖を続けてきて、何を見て・何を思ったかの半生を綴ったびっくりするほどクソ分厚い本。かの有名な養老孟司先生(解剖学者)が解説を入れているのだが、それが終わったページで483Pの刻印押されとるからね。厚みやば。本は分厚いが、短編くらいの長さの出来事一つ一つをくっつけて一冊の本にしましたみたいな感じで、もちろん最初から通しで読むに越したことはないが、割とどこからでも読める構成でありがたかった。最初の1ページにさえ手をつけてしまえればスイスイ読めた。人が死ぬという結果の原因を特定する職業の話であるがゆえに、その前後に付き纏う痛ましさや悪意、世間の判断、理不尽さに陰鬱になる箇所もあるんだけど、著者が必要以上に物事の善悪を強調しないし、ただ当時の自分の心情を書きました、的な筆の運びで読みやすくはあったかな。
9.11回りの出来事やダイアナ妃の死因の再検証なども興味深くはあったんだけど、シンプルに「DNA鑑定が高精度になった今日において、フェイスマスクなしで息をしたり話したりすると、DNAまみれの唾液の飛沫が現場に残るのは誰でも知っている」的な知らない知識が出てきたりして、もうそこまで時代進んでいるんだ!?と驚いた。や、やべ〜!知らなかった〜!でも、やっぱDNA鑑定にはロマンがあるよな!と改めて興奮してしまった。古代遺跡でファラオのDNA鑑定がなんとか、イングランド王リチャード3世の遺骨が駐車場で見つかって鑑定をなんとか、みたいな技術で判明する痕跡にとても興味があるので、そういう本も読みたいなあ。
人は必ず死ぬという当たり前のことすら夢のように感じる昨今、著者が死というプロセスにどう向き合ってきたのかを知ることができる、良い本でした。
小学1年生向けのやさしい漢字の本。漢字の書き取りクイズをやるとき、部首の意味や語源、成り立ちを知っていた方が、明らかに捗るので手に出した。小学6年生まであるっぽいので順を追って読んでいきたい。いや、小学1年生向けの内容ではあるけど、私が個人的にめちゃめちゃ興味があるせいで面白いよ!「大」は両手を広げた人、「天」はその大きいに天井を表す棒線が上にある(ー)、「立」はその逆で下に棒線がある(ー)、「上」は天の横棒の上に何かあるさま、「下」は天の横棒の下に何かあるさま、「夕」は夕方の月のかたちから、「気」は元々、氣と書いて(魔人学園で見たやつ〜!)米を炊くときにできた湯気のモヤモヤから、などなど、心の中のへえボタンを連打しながら読むことができた。小学1年生でこんなに面白いなら、次回以降は一体どうなっちゃうんだ……!?
ただなんか、やっぱり漢字の成り立ちにも諸説あるのだろうということと、小学生向けだから過激な由来は書けないのだろうという感じで、以前読んだ『部首のはなし』や、私がYoutubeとかで得た知識とは違う解釈があるな……と首を傾げる箇所もあり、その引っかかり含めて楽める本だった。この楽しみ方を小学生の頃の私が知っていればなあ〜。(歴史にIFはない)