「2022年6月」の記事一覧

宅配野菜

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永遠の今 / フジコ・ヘミング

スエーデン人の父、ピアニストの日本人母のハーフで、本人も世界的なピアニストとしてご活躍されている、フジコ・ヘミングさんのエッセイ本を読んだ。フジコ・ヘミングさんは、私の母が好きなピアニストという情報しかなかったのだが、実家に帰った時の話のネタになるかな〜というフンワリした動機でこのエッセイ本を手に取った。案の定、戦前生まれの女性芸術家らしいエピソードや語り口のオンパレードで安心して読めた。どういう偏見?(貧乏苦労話、〜かしら・〜わねといった口調、とにかく煙草を吸う、没個性への抵抗感、完璧主義でない、諦めたものがある、古いものに対する思い入れ等は多分あるだろうなという私の先入観と、実際読んでみてそんな感じだったことに対する安心感)
意外だったのは、ベジタリアンだったこと。そうなんだ!?そうなんだって何だよ。まあ、御年齢から肉を食うのがしんどくてそのまま菜食主義にって話は世間では聞くけれど、演奏家って体力勝負なのでは?みたいな思い込みがあるからか、命を大事にという観念からベジタリアンなのはちょっと意外だった。
あと、ヘミングという苗字は芸名なのかな?と思っていたけど、冒頭でも述べた通りにハーフの方で、本名はゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコというバチバチにカッコいい名前だった。

あとは、ちょこちょこと私物や部屋の写真が本に載せてあるのだが、昔の海外映画みたいな古めかしい雰囲気のある家具や小物が揃っていて、こういうの素敵だな〜と憧れた。古いものをそのまま長い間残せる余力があるというか。モダンで整った無機質な部屋も好きだけど、こういうアンティークっぽい雰囲気を一貫して保つって、結構根気がいるもんな。途中で趣味が変わってもミスマッチになってくるし、断捨離には決して目覚めない、終活や生前整理は死んでからするという覚悟もいる。どんなスタイルであれ、変わらないっていう選択ができるほど、自分の世界が固まってる人なんだろうな。紙面に映える人のエッセイだった。

ニュース

イラクでミタンニ王国の主要都市が発見…!?天は赤い河のほとりで出てきたあの黒太子の国〜〜〜!!!!!!古代オリエント史は、大体少女漫画が教えてくれるんだよな。(王家の紋章、天は赤い河のほとり)

ヒマなんだもの〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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ザ・ファブル 8〜22巻 / 南勝久

一気に読了。

ネット広告で1000億回くらい見た、ヨウコちゃんの「ずいぶんナメられたものねぇ──…一人で来るなんて〜〜〜〜」「たとえばテーブルの銃──……いいのそこで?両腕を下ろしてるけどいいのそれで?」が見れたので感無量だった。ヨウコちゃん思ったよりだいぶ強くてビックリしたんだけど、最終的には戦力外とされるパワーバランスで、こういう漫画は良くも悪くも女の扱いが難しいよなあと思う。HiGH&LOWも似た感じだったな。あと、鈴木くんはキングスマンは観ていないのかな?テーブルマナー守らん奴は死ぬって英国紳士が言っていただろ────……。

また、蛇の肉は美味いのくだり、私もマレーシアに行った時にカエルを串刺しにして焼いた肉食べて美味いと思ったから興味がある。昆虫食も割りかし興味があるので、最低限しっかり火が通っていれば…食べてみたいぜ!

最後はちゃんとお兄ちゃんがヒロインと添い遂げたり、デザイン屋の社長がマジでいい人だったり、クズ野郎がいっぱい出てきたりで、殺し屋休暇漫画として期待されているものは一通り出しました!期待に応えました!って感じがして全編通して面白かったと思う。やっぱずっとネット広告のネタにされているだけのポテンシャルあるよ!続編も出ているようなので、折を見て読み進めたい。

いちにのポカン

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乱読のセレンディピティ / 外山滋比古

『忘却の整理学』が面白かったのと、Kindleでセール売りをしていたため購入した。

本は乱読がオススメ!という趣旨のタイトルだが、同時に本は読み過ぎると馬鹿になるぞという例のショーペンハウアー節もあったと思う。読んで知識を得ること、自分の頭で考えることは同じではない。関心のあるジャンルの本を視野狭窄で追いかけ続けると知的メタボリックに陥るよ、あと昨今書籍は毎年大量に出ていて悪書も多いんだから、読まなきゃ遅れるみたいな考えに取り憑かれるな、という警告をしたいっぽいな。足の速い人は確かに速く高い山のふもとまで登るかもしれないが、足の遅い人は俊足が見逃した花を登山の途中で見つける、的なアレ。この辺りは『忘却の整理学』と同じかと思う。

セレンディピティとは、造語で「幸運と偶然出会う力」という意味合いの言葉で、いろんなジャンルの本を時間を開けて読んだり、専門分野が違う人間とおしゃべりしたり、気が赴くままに散歩したりで、四方八方に飛び散ったものが偶然繋がることもいっぱいある。だから、本に限らず、広い意味で「乱読」せよ。そして何事も詰め込みすぎず、寝て頭をスッキリさせたり、忘却したりすることも忘れるな。しっかり忘れた人がしっかり覚えられる、みたいなニュアンスの本だったと思う。

自分の頭で考える / 外山滋比古

大丈夫か!?「本ばっかり読んでると思考力が落ちるぞ」と警告された後に読む本のタイトルじゃないが?と思いはするものの、まあ同じ作者の本なのでそのまま読んだ。多分、内容・主張は同じような本だろうなという決めつけでかかってしまったが、本当にその通りだったので思わず目が泳いでしまった。迂闊…!もっと時間をあけて読むべき本だった。というわけでそっと閉じて積むこととしました。

おうちでカフェしましょ。 / ヒューマンアカデミー

図書館に置いてあった謎のDVD。そういやルピシアでお茶の福袋買ったな、暑くなりきる前にお茶っぱを少し消費しなきゃな、と思いながらなんか手に取ってしまったのだが、借りて数日経った後の「これなんで借りたんだっけ……」感がすごい。日本茶・紅茶・コーヒー・中国茶の楽しみ方・淹れ方をストーリー仕立てで教えてくれる80分。80分は長くない?なんで借りた?(2回目)

DVDくん「前の日からティーバスケットの用意をしておけば、次の日は快適に過ごせます」
私「お、おう…」

でも、ぼーっとしながら「茶論を設る、茶論を愉しむ」とかテロップを見るのは面白いな。今、茶論とサロンとかけた?みたいなツッコミどころが多々あり、ぼんやりしすぎない。暇な時に見るのにちょうどいいのかもしれない…とは思うけど80分ぶっ続けで見るようなものではないな。このDVDをうっかり借りてしまってぼんやり見ている自分が一番おもろいわ。

メチャクチャ関係ないんだけど、図書館やレンタルビデオ屋で置いてるDVDとかって高いんだね。レンタル権利含めて買ってるから、一般で流通しているDVDの価格が一本3,000円だったとしても、レンタル用は20,000円とか普通らしい。いいか?だから丁寧に扱えよ!っていう威圧感の強い図書館のポスターが教えてくれました。

科学は全てを……解決する!

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週刊少年ジャンプ 2022年30号

呪術廻戦189話。呪術廻戦の科学監修に、Dr.stoneでも科学監修やっていたくられ先生の名前が急に出てきてダメだった。笑ってしまった。科学はすべてを解決するチャンネルは、面白くてよく見とる。しかし、よく考えたら呪術なのに科学の監修が入るの面白すぎない?誰か呪術監修も呼んできてほしい。富江もアニメ化することだし、うずまきの縁で伊藤潤二先生呪術監修に入ってもらおう!とかいう話はさておき、本編の話。純愛私鉄列車の天ノ川小百合ちゃん美人だな。ちゃんと鹿紫雲くんにも海っていう不得手なフィールドあったんだ、というのと、金ちゃんが座学2とは思えないほど賢くて、今週も見応えあった。面白かったです。来週はついに決着か!?と思ったら休載のようだった。いい、休め…!

映画:惑星ソラリス(その2)

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惑星ソラリス / 1972年 映画

ソ連のSF映画こと「ソラリス」、先日中断したところから再開して、一気に見終えた。

お帰りになられた科学者が高速道路で移動している最中、「冷暖房付観光バス」「渋谷方面渋滞」と日本語の看板が見える。先日に「ヒロシマ」発言といい、このソ連のSF映画、妙にJAPANみを入れてくるな。というか、この映画の主人公一家は日本在住なのか?お前さっき「非道徳でも目的は遂げられます。ヒロシマのように」とかって煽ってたくせに?と思っていたけれど、しかし主人公のクリスのご実家の周辺はどうみても日本ではないので……日本に住んでるというより、近未来っぽさのために日本の高速道路を入れただけ感あるな。この科学者が運転する車は左ハンドルで、これ車の外に流れる風景はどうやら別撮り合成しとるなという感じもある。全体的にチグハグ的な違和感があって、これで多分近未来っぽい、現在とは異なるズレを出そうとしているんやろなと深読みおじさんしてしまった。

いや、冷静に考えても2時間46分長いよ!まだ主人公宇宙に行ってないんだがどうするんだ?と思ってたら、唐突に主人公が宇宙へ飛んだシーンから始まる。ん!?結局ソラリスへは行くんだな。え?どういう動機で行くんだ?
なんというか、全体的に説明がないので、メタ読みが必須みたいな感じがするな。原作の小説を読んでいることが前提の読者ターゲット層なのか、はたまた監督がそういうタイプなのかは分からないが、「ちょ待てよ……一旦考えさせて」と再生止め、首を傾げてしまう。ちょ待てよ。

まあともあれソラリスへ飛んだ主人公。基地には3人の学者がいると聞いていたが、どうやら前日に1人自殺したらしい。その自殺した人は、どうやら主人公の同僚っぽくて(!?)、そいつの部屋までへ行くと、某『狂った果実』の少女が描いたようなニンゲンの絵があり(!?)、主人公への遺言テープを残している。か、カセットテープだあ!

そのテープの途中で物音がして、一旦中断。探索の途中で、女を見かける。その女の後ろ姿をふらふら追いかけると、自殺者した同僚の遺体が保存されている冷凍室へたどり着く。女?残りの学者2人は全員男だが?というかこのメチャ美人の女性、主人公の亡き妻にそっくりらしい。いつの間にか彼女が部屋にいることにビビる主人公。

Q.死んだ妻の生写しの女が現れた!どうする!?
A.主人公「ロケットに騙して入れて宇宙に飛ばしてなかったことにする」
私「主人公~~~~~~~」

後で出会う学者曰く、惑星ソラリスは、人間の記憶の一部から選んでそれを物質化する能力があるらしい。主人公の場合は、たまたま亡き妻がピックアップされたと。この人型の物体はニュートリノでできている。ソラリスの磁場が、本来は不安定なニュートリノを安定化している。理論上無限に創造が可能ということで、主人公が殺しても蘇るし、彼女が自殺を図っても蘇る。そう、彼女は自殺を図る。主人公と交流を深めるうちに、自分が誰なのか分からず、どうやらソラリスから寄越されたものであることも自覚する。己が何者であるかのアイデンティティを確立できず、人間らしき記憶も持たず、愛する彼の元妻を模した何かであることに苦悩する。「でも、私は人間になります。」やがて自殺するほどに『人間らしく』なった彼女は、ある日、主人公の目の前から消えた。学者に頼んで、自分を爆破で消してもらったのだ。

この『人間の記憶の一部から何かを選んで物質化する』という、惑星ソラリスからのコンタクトは一体なんなのか?人間を理解するため?それともコミュニケーションの媒体として?彼女は「私は人間の良心の表れ」という。エンディングでは、オープニングに映っていた実家へ、主人公が帰って来る。出迎える犬、実父。と思いきや、カメラが引き、その家は、ソラリスの海に浮かぶ孤島に出来たものであることが分かる。主人公は、惑星ソラリスで奇跡を待つことにしたのだ。みたいなストーリーだった。やっぱりな〜!?途中で「彼女が消えて、代わりに島がいくつかできた」みたいな話があったからそんな予感したんだよ!

今更だけど、惑星ソラリスの基地に舞台が移ってからの登場人物は、以下の通り。

・主人公・クリス(精神科医らしいが特に説明されてない)
・元妻を模したメチャ美人・ハリー(ソラリスの触媒)
・キバリャン(自殺してた主人公の元同僚)
・スナウト(学者その1、54歳、そこそこいい人っぽいリーダー格)
・サルトリウス(学者その2、ソラリスの再生能力で不死の薬とか研究してる、ヤなやつっぽいがメガネ外すとイケてる)

学者たちが割といい味出していて、私が好きだと感じたセリフは次の通り。

サルトリウス「(主人公が元妻に似ている女の物体について感情的になるのを見て)昔の女房とのロマンスしか頭にないようだ。一日中ベッドにいて何ができる?お前はここに何をしに来た?」
私「それはまあその通りなんだよなあ」

スナウト「(我々は眠る。その時は苦労も幸福もなく、苦も楽もない。ただ深い眠りは死に似ている。これは良くない、そして)我々に必要なのは鏡だ」
私「ま、真賀田四季〜〜〜〜!」

この映画が出た当時の時代背景なんかもうっすら匂ってくるし、やはり宇宙空間でもバンバン酒飲んでタバコを吸うし、物理的な本はいっぱい出てくるし、色々引っかかるところがあって面白かったな。次は原作(小説)を読んでみたいと思う。