「2022年4月26日」の記事一覧

将棋は殺し合いなんかじゃないもん

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

週間少年ジャンプ 2022年21・22合併特大号

ジャンプを定期購読しているのだが、高校生家族(父母主人公妹犬が全員高校生のギャグ漫画)の天才児である妹の将棋編がマジで面白い。なぜ純粋な将棋部活もので殺し合いの螺旋と言う言葉が出てくるのかも不明だし、今週号に至ってはタイトルのようなセリフが飛び出した。将棋は殺し合いなんかじゃないだろ!
お目当ての呪術廻戦は相変わらず面白かった。ゴリゴリに格好良かった乙骨先輩編が終わってしまって寂しいな〜と思っていたら、次の視点も面白かった。秤先輩、さては人がいいな。

ボクと、正義と、アンパンマン / やなせたかし

読了。自分の経験と考えだけで、内容を薄めず、最後までちゃんと書くことがある人の本は、読み応えがある。途中で「時代錯誤だなこの爺……」と思う箇所はあったのは確かだったが、まあそう言う時代だったからなあとスルー。総じてよかった。

・絵を描かれる方のエッセイというと、さくらももこ先生のイメージが先行してしまい、連鎖的に「さくらももこといえば飲尿健康法…」というオチまで繋がる現象ありますよね、これってトリビアになりませんか?
・やなせたかし先生って「手のひらを太陽に」の作詞までされてたの?若い頃の詩集も累計10万部売れてる?めちゃくちゃ才能あるな……。
・アンパンマンの歌、歌詞がちょっと重すぎるかもしれないが、他の人に任せてたら「かわいいかわいいアンパンマン」式の歌になったんだろうな〜みたいな先生のさりげない毒っぽさが滲む感想、好感が持てますね。
・アンパンマンは善、バイキンマンは悪として描かれているが、人の心にも社会にも善悪があり、大事なのはそのバランスである。善悪のバランスあって抑制力が出てくる。絶えずバランス感覚を持つことが人間として大事。どちらかに偏った生き方はだめ。他人の心が理解できなくなる。バイキンマンは悪だがイースト菌でもある、アンパンマンと戦いながら共存している、善と悪も戦いながら共存している。めちゃくちゃ大事なこと言ってくる……。
・創作の中に精神的な毒を入れない。面白さのために毒を入れない。僕の創作を読んだ子供たちの精神の血肉になっては困るから。いい話!
・先生の心の中にも、一生に一度、会心の美少女を描いてみたいと言う気持ちがあるらしい。10000ポインツ!
・子供を子供として甘くみるな。ナメるな。五歳児にも三角関係の縺れで悩むことはある。アニメがマンネリなのは子供の精神に真剣に向き合わず商業主義に走っているからでは?みたいなお小言。でもなんか先生がそう思うのは納得いくな。「かわいいかわいいアンパンマン」ではなく、「なんのために生まれて何をして生きるのか」なんて真正面から子供に問いかけてくる先生だからな……。
・西條八十の金糸雀「唄を忘れた金糸雀は 柳の鞭でぶちましょか」と言う歌詞にちょっとよからぬ妄想をして興奮したと漏らす先生、あーでもこれは分かる気がするな。柳の鞭でぶちましょかじゃないんだよ、西條八十先生!機会があったらこの先生の詩集も読みたい。賭けても良いが、西條先生は倒錯した少女趣味していると思う。