「2022年4月」の記事一覧

星新一ラッシュ

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

先日、実家のテレビで『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』を見た。SF作家・星新一のショートショートから『地球からやっていた男』をドラマ化したもので、まあ多分読んだことはある(母がファンで本を持っていた覚えはあるため、かつての本棚にはあったはず、私も読んだはず)……とは思うが、記憶にない。その翌日、入った本屋で星新一が平積みされており、今も人気があるんだなあと思ったあと、適当に寄った喫茶店で昨日の読書の続きをと羽生善治の『人工知能の核心』を読んでいたら、急に「人工知能に物語を書かせたらどうなる?星新一のショートショートを人工知能に書かせてみた」みたいな話が出てきて、二度見してしまった。こんな時間が飛んだ話のつながりかり方ある?

劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』

新一つながりというわけではないのだが、コナンの映画を見に行った。今回は警察組、佐藤と高木の恋物語と、降谷の過去(かつて警察学校で連んでいた仲間含む)の話が混ざった感じのやつかな。相変わらず爆発に次ぐ爆発といった感じで面白かった。今回はロシアからやってきた爆殺のプロとそれを追うロシアのヤベー組織が日本にやってきてハロウィンにドンパチかますという、世界情勢的にやや心配になるストーリーだった。流石に映画を作って公開決定した後の、この現実社会の世界情勢だろうから、この件についてコナン映画に罪はないだろう。ないと思うな。一緒に見にいった子は「やっぱコナン映画って『持ってる』な」とのコメント。分かる。
一番解せない点はコナンと灰原がごく当たり前にロシア語を使いこなしていたことなのだが、「灰原はまあ……わからんでもないが……」「もしかして親父にハワイで習った?ロシア語」「でもコナンってロシア文学好きそうじゃん、絶対『罪と罰』から引用したポエムかましてくるよ」という感想が山ほど出る。そういう点も含めて、コナン映画って毎年本当に面白いんだなあ。感想戦が盛り上がる。
来年はジンが出るらしいので、来年も見に行きます。「会いたかったぜ?シェリー……」じゃないのよジンニキ。シェリーは会いたくないのよ。

アニメ・すべてがFになる 1〜11話 / 原作・森博嗣

身内に布教するため、アニメの一気見を敢行しました。よくこんな長時間付き合ってくれたな。本当にありがとう。原作の小説と比べると、設定の乖離が割とあり、途中もう一人のボクが解釈違いを起こして暴れ回ることも度々あったのだが、無事に試聴完了。また小説読み直すか〜!

人工知能の核心 / 羽生善治

星新一つながりでも人工知能つながりでもないのだが、先日の途中の続きから。
ロボットの『報酬』とはなんぞや?という話。確かに人間が得るものであれば、経験やお金というのは行動した結果の報酬として機能することは理解できるが、ロボットにはそういうものはなさそう。なさそうというか、優先順位をどうするかという話になるのだろうか。機械学習のために知的欲求を優先する、ただし違法にはならない範囲で、というような条件だけでも、まず文系の代表みたいな立法解釈が文脈で理解できる性能が必要だ。人間が考えつかないような規制されていない抜け道もできそう。その結果、システム側が想定のないエラーで不具合を起こして、みたいな展開は思いつくなあ、こういうのどうするんだろうかと思っていたら、それに対応する例として挙げられたのは『ロボット三原則』だった。それだあー!そうだった、我はロボット!ロボット三原則!それをバシっと思い出せたらスッキリできただろう。惜しい。
ロボットや人工知能の人権はどうするのか?という話もあった。昨今の人工知能は芸術の分野にも手を伸ばしている。絵画で独特のタッチを模倣することはもちろん、音楽は数学的処理が行いやすい芸術なのだそうだ。しかし、いくら人を感動させるような絵や音楽、小説を創造したとしても、それがプログラムが作ったものだと分かった瞬間に、人間は評価を下げる傾向にある。芸術は芸術として評価せえよ!とは反射的に考えるものの、この「絵が美しい」というだけで正当な評価を行うことは人間には出来ないだろう。芸術の評価のされ方というのは、技術や表現は前提として、その芸術を通して連想する作者の人間性・人生や時代の背景、自分自身の感情や主観込みでのことになる。創作は、それを観る側がいて成立するコミュニケーションの一種という説もあるくらいだ。この場合、プログラムの創作に対して評価をする、我々人間の方が、時代に合わせて価値観を変えていく必要があるんだろうな。本日はここまで。進捗は60%。

女神異聞録ペルソナ 全8巻 / 上田信舟

表紙が懐かしすぎでは?薦められるまま手に取ってしまった。ぼっちゃま、必ずや一番の日本男児におなりください。
そうそう、こんな話だったなーと思いながら読み進めていたら、第23話で香西千里の写真と共にTendre Poisonの香水の瓶が出てきて、地面を転がるなどした。この時代確実に流行ったアイテム!私も持っていた!廃盤になって久しいやつだ。その後、マキちゃんの『楽園の扉』周りの設定が出てきて、なんだか既視感を覚える。機械に繋がれた少女。少女は楽園の夢を見ながら眠り続けている。その幸福な夢が主人公たちと共有され、のあたりで「これはeuphoriaというエロゲーの設定を思い出すな…」と思っていたらふと「euphoriaの主題歌、確か『楽園の扉』だったのでは?」と気付く私。そこから「これさては、ペルソナ・euphoria共に有名になった元ネタがあるパターンなのでは?イギリス文学あたりで同じような設定の小説ありそう、タイトルは多分『楽園の扉』!」という謎の推理を展開してしまったのだが、実際はどうなのだろうか。気になる。

推しの人工知能:デボラ

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人工知能の核心 / 羽生善治

積んでいたKindle本なのだが、今井むつみ先生の著書『学びとは何か』に羽生先生が寄稿されていて、その見解に興味を持ったため、積み崩しを行なった。お、面白……。本日40%くらいまで。
人工知能がプロのチェスプレイヤーや囲碁の棋士を次々と打ち負かし、処理速度にものを言わせた圧倒的な力技とディープランニングに代表される機械学習、そして人間的な手法を採用することによって、どんどん進化して生きている、という前提から話が始まる。羽生先生は、人工知能に負けることは十分あり得ると考える。人工知能には「次はこの手で大丈夫か?」などといった恐怖心が一切なく、機械的に最良の手を示すことができる。それが我々人間にとっては考えもつかなかった一手になるし、その解析を人間側の勉強に活かすことができるようになってきている。機械側が示した一手が定跡になることもある。それはここ最近になって登場した新しいやり方・常識である。しかし、人間側が「じゃあ機械に任せればいいか」と考えると、人間側の思考力は衰える。現場にいて、自分の頭で深く考えるからこそ、整理されて大局を見る目も養われ、勘も培われる。というような話……だったと思う(自信がない)。
羽生先生は、基本的に人工知能は一定のルール化においては人間を凌駕することを認めた上で、人工知能と人間の付き合い方というか、関わり合い方というか、それでもできる人間の強みとは何か?を含めて深く色々考察されているのだなと思う。羽生先生曰く、棋士の強さは美意識である。この美意識というのは「安心や安定から来るもの」というのが先生の見解で、個人的にはここが一番膝を打つポイントだった。基本やセオリーは安心する。この手を打てば間違いないという自信がすんなり湧いてくる。違和感がない。真っ直ぐ筋が通っていて、間違いのない一手だと思えることが、美しい一手を打つ美意識の根拠となるものだろうか。過去に美しいものも今にしてみれば醜いと感じるかもしれないが、変化で培われるものもある。将棋や美意識とはまた少しずれる私の感想だが、「言われてみれば美しいって、安心や安定かもしれない」と思えて面白かった。安定した遺伝子を持つであろう人間が美形や健康な人だろうし、金のある人は経済的に安定している。まあ世の中には、危なっかしいものが美しいと思う人もいるかとは思うので、あくまで個人の感想にはなるが、ここまで読んで十分面白かった。続きは後日読もう。

ゴールデンカムイ 314話 / 野田サトル

本日最終回。野田先生お疲れ様でした。途中からバンバン人が死にまくって、最終回は大丈夫か?全滅したりしとらんか?と不安に思っていたものの、過不足なく、良い終わり方だった。ヴァシリ生きてたんだな……。

SPY×FAMILY 54〜62話(中編) / 遠藤達哉

ジャンプ+の漫画。そういえばアニメ化したなと思って、ジャンプ+で読める文を一気に読んだ。最新話、結構展開が暗いし人もバンバン死んどるが?アーニャが画面に居ることの効果を思い知らされる。

ハイパーインフレーション 36話 / 住吉九

ジャンプ+の漫画。下ネタ度数とちのう指数が比例しながらハイパーインフレーションするのやめてもらって良いですか?と毎週思って面白く読んでいたが、今回は下ネタが控えめ。タイトル伏線回収話。ハイパーインフレが起きる時の流れの説明がとても分かりやすい。毎週サクサク展開で進むから、まだ36話しかやってなかったっけ!?ということに驚くのよ。

教養(インテリ)悪口本 / 堀元 見

みえるちゃんのお兄さんが書いた本だっけ?面白かったのでスイスイ読めた。読了。
メチャクチャ偏見なのだが、普通の人間が中途半端に性格が悪いことに関しては「モヤっとした嫌さ(しかし自分も含め、世の中のみんな似たようなものだし、たまたま発露のタイミングに居合わせてしまっただけだよなという諦念)」になる一方で、頭がいいことで売ってるタイプの人がたまたま性格悪いと、その知能の高さと性格の悪さが、いい感じに・時に悪い感じに噛み合って発露されるので「面白!」になるか「こいつ、普通に嫌いだな」とはっきり分かれるような気がする。そういう意味では、この本はバカとかアホとかいう低レベルちくちく言葉を「世界で一番大きな花だね!(様々なニュアンスを込めたラフレシアの意)」と言い換え図鑑するので、「面白!」がるための本だろうか。普通に知らない・そこまで深く考えてなかったインテリ知識が満載で、それを元にいかに悪口を創造するかという試行錯誤と閃きが見え、そこもまた面白かった。
この本を読んでいる最中、「そういえば私もロシア文学で長編読んだことない……読んだことあるロシアの本何かあったっけ……あれだ!アントン・チェーホフの『ねむい』!(眠れない少女がいかに眠れるようになったかという短編)」と思い出してしまい、睡眠時間足りてない自慢の人に対して「だからステキな笑顔なんですね!」って言うのはどうだろう、と連鎖的に悪口を考えてしまった。ヒネリ不足で教養悪口になっとらんやないか。なかなか難しいな。

劇場版名探偵コナン 緋色の弾丸

今日まだ書くことなんかある!?自分で困惑しとるわ。
GW中にコナンの映画を見に行く予定があるため、復習がてら前回の映画を見てみた。まあ多分「赤井がなんか銃をパンって撃ついい感じの見せ場があるやつだろうな」くらいの予測で見ていたが、まあまあその通りだった。ここは下手に意外性なんかなくてもいいからな。毎年期待通りの出来よ。犯人の片方は割と最初の方で分かったけれど(伏線の貼り方が易しかったため)、もう片方は全然わからんかった。コナンの中では沖矢昴が推しメンなので、今後如何なる展開になったとしても赤井くんに戻って欲しくない……一生沖矢昴で居てくれんか?ダメか。
名古屋がメイン舞台だったので、「名古屋城のここ、藤が綺麗なところだ!」「オアシス21だ!」とすぐ分かったところは楽しかったな。コナン映画は毎回その場で突っ込みたいことが多すぎるので、映画館で見るより、誰かと家でみたり、Amazonでウォッチパーティした方が楽しいのかもしれん。

まっくらクライクライ

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『毎日漢字』というアプリで1日15問の漢字書き取りをしばらく続けているのだけど、徐々に部首や漢字の成り立ちなどに興味を持つようになった。その結果、書き取りの最中に突然「暗闇ってなんで音が二つも入ってるんだ……?」と気になり始める羽目に。まあ多分「暗闇の中では音だけがよく聞こえるから」「音の本質が顕になるからでは?」などと予測を立てながらググったところ、以下の回答が出てくる。

・「音」=「あいまいなではっきりしない」ことを表す文字

鉄板だと思った予測が外れとるやないか。
音は目に見えない、明るくない=光らない現象ということかな。暗=日の光が曖昧になってぼんやりとする様、闇=あいまいではっきりしないものを門に閉ざして全く不明になる状況。なるほどな、暗闇、おもしれー漢字。

全く話は変わるのだが、久しぶりにDMMブックスのアプリを開いたところ(70%オフセールでの大量購入からやや放置にしていた)、今井むつみ先生の「英語独習法」を既に買っていたことに気づく。そんなことある?この時期そんなに英語に興味あったっけ?もう過去の自分のこと何にも分からん……。とはいえ、いい本だったから、何冊あってもええか!今井先生に貢献できたと思えば!

異世界失格 1〜2巻 / 野田宏 、若松卓宏

太宰治が異世界に転生するやつ。この漫画を読み進めていくうちに「しまった、私、人間失格も太宰治もちゃんと読んだことない……!」と気づく。多分これ、ちゃんと前提知識があれば楽しめる箇所がいっぱいあるのでは?ボブは訝しんだ。とりあえず、3巻以降はもう少し知識を入れてから読むとしよう。

本の表紙の写真撮影アップロードは基本NG、覚えた

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近所のスーパーで、皮ごと食える種無しぶどうが100g88円で売られており、これをずっと買って食べているのだが、買うたびに「豚こま肉より安いなんてことある?」と怯えてる。安さの理由は何!?

コンテンツ別ウェブサイトの著作権Q&A / 雪丸真吾、福市航介、宮澤真志

一通り読んだ。WEB関係にまつわる著作権や著作隣接権、肖像権、プライバシー侵害、名誉毀損、パブリシティ権などについて再確認。Youtube動画に上がっているゲームプレイやパロティ、音楽についてはどうか?などなど、最近のWEBコンテンツの法的根拠について一通り教えてくれる本だったと思う。しかしこの手のコンテンツについての基準は、やっぱりどうしてもケースバイケースという結論になるのだなあ。それを踏まえても、明確に「これはダメです」「できれば著作者に許可を求めてください」「著作権は通っても著作隣接権で訴えられるパターンがあります」などなどの最低守るべきラインや見解を教えてくれるので大変役に立ったと思う。個人的に意外だったのは「歌ってみた」「踊ってみた」系は、Youtubeやニコニコ動画のサイト自身がJASRACに契約を結んでいるので、JASRACが管理している範囲の楽曲で常識的な扱いならまあ通る……みたいなことだった。そういうのOKなんだ!?と思ったけど、今度は別の著作隣接権で訴えられるかもしれないパターンとかが出てきたりして、もう複雑怪奇だなあ!こんなの取り扱っている弁護士の先生方はそりゃすごい人たちだな……となる。(著作権ひとつ取ってもこんなややこしいのに司法試験ってなんだよ!?)

将棋は殺し合いなんかじゃないもん

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週間少年ジャンプ 2022年21・22合併特大号

ジャンプを定期購読しているのだが、高校生家族(父母主人公妹犬が全員高校生のギャグ漫画)の天才児である妹の将棋編がマジで面白い。なぜ純粋な将棋部活もので殺し合いの螺旋と言う言葉が出てくるのかも不明だし、今週号に至ってはタイトルのようなセリフが飛び出した。将棋は殺し合いなんかじゃないだろ!
お目当ての呪術廻戦は相変わらず面白かった。ゴリゴリに格好良かった乙骨先輩編が終わってしまって寂しいな〜と思っていたら、次の視点も面白かった。秤先輩、さては人がいいな。

ボクと、正義と、アンパンマン / やなせたかし

読了。自分の経験と考えだけで、内容を薄めず、最後までちゃんと書くことがある人の本は、読み応えがある。途中で「時代錯誤だなこの爺……」と思う箇所はあったのは確かだったが、まあそう言う時代だったからなあとスルー。総じてよかった。

・絵を描かれる方のエッセイというと、さくらももこ先生のイメージが先行してしまい、連鎖的に「さくらももこといえば飲尿健康法…」というオチまで繋がる現象ありますよね、これってトリビアになりませんか?
・やなせたかし先生って「手のひらを太陽に」の作詞までされてたの?若い頃の詩集も累計10万部売れてる?めちゃくちゃ才能あるな……。
・アンパンマンの歌、歌詞がちょっと重すぎるかもしれないが、他の人に任せてたら「かわいいかわいいアンパンマン」式の歌になったんだろうな〜みたいな先生のさりげない毒っぽさが滲む感想、好感が持てますね。
・アンパンマンは善、バイキンマンは悪として描かれているが、人の心にも社会にも善悪があり、大事なのはそのバランスである。善悪のバランスあって抑制力が出てくる。絶えずバランス感覚を持つことが人間として大事。どちらかに偏った生き方はだめ。他人の心が理解できなくなる。バイキンマンは悪だがイースト菌でもある、アンパンマンと戦いながら共存している、善と悪も戦いながら共存している。めちゃくちゃ大事なこと言ってくる……。
・創作の中に精神的な毒を入れない。面白さのために毒を入れない。僕の創作を読んだ子供たちの精神の血肉になっては困るから。いい話!
・先生の心の中にも、一生に一度、会心の美少女を描いてみたいと言う気持ちがあるらしい。10000ポインツ!
・子供を子供として甘くみるな。ナメるな。五歳児にも三角関係の縺れで悩むことはある。アニメがマンネリなのは子供の精神に真剣に向き合わず商業主義に走っているからでは?みたいなお小言。でもなんか先生がそう思うのは納得いくな。「かわいいかわいいアンパンマン」ではなく、「なんのために生まれて何をして生きるのか」なんて真正面から子供に問いかけてくる先生だからな……。
・西條八十の金糸雀「唄を忘れた金糸雀は 柳の鞭でぶちましょか」と言う歌詞にちょっとよからぬ妄想をして興奮したと漏らす先生、あーでもこれは分かる気がするな。柳の鞭でぶちましょかじゃないんだよ、西條八十先生!機会があったらこの先生の詩集も読みたい。賭けても良いが、西條先生は倒錯した少女趣味していると思う。