「2022年」の記事一覧

映画:劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

仮面ライダーオーズと、暴れん坊将軍の上様がコラボしたことで有名な2011年の映画。気になってはいたものの、まあ実家に帰ったら妹と見るか……と思って取っておいた映画である。なんで取っておいた?(妹と見る必要あるか?)
ちなみにAmazon primeで有料(400円)でした。

劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル

仮面ライダーオーズって10年経ってるの!?嘘でしょ!?
ともあれ、事前情報で「暴れん坊将軍が出る」「上様の銀幕デビューがこれ」「孫と行ったおじいちゃんおばあちゃんが号泣」とだけ知っている状態で見たのだが、思ったより上様の出番がなかったな!?号泣するシーンとかあった!?
あらすじは以下の通り。

鴻上会長がドイツの奥地で「失われたメダル」の封印を解き、それとともに古代の錬金術師・ガラが復活した。ガラは世界を終わらせ、新しい世界に作り直すと宣言し、東京一体を土地ごと持ち上げてひっくり返しーー

私「ここらの世界観が女神転生なんだよな」
妹「分かる」

ガラの配下のピエロ女たちによって欲望を刺激される人間!具体的にはレンガ(100万円札束)5個をちらつかせられて欲望に溺れるものたち!貯まる欲望のコイン!めちゃくちゃ強い配下たち!

私「エ!?上様が出てこないが!?」

と思ったら、謎の錬金術によって東京と江戸が入れ替わり、土地ごと混じり合う!江戸の人間vs東京の人間!揉める民衆を宥める火野映司(主人公)!コアメダルを狙い、襲いかかるヤミーたち!揉める大衆!助太刀する謎の貧乏旗本!

私「ここだけ暴れん坊将軍の間の取り方なのなに?全体的に巻いているのに上様周りだけは巻かない、時代劇の矜持を感じる」

間を挟んで家族シーン!再度襲われる主人公たち!メダルの足りない状況を見て、上様がーーメダルを渡す!

上様「このメダルは徳川家への献上品だ」
私「徳川家への献上品?!?!?」

カメメダル
江戸時代における徳川家への献上品であり、火野映司は八代将軍・徳川吉宗からこのコアメダルを授かった。

江戸パートで役目を終えられてしまう若様!
まあその後なんやかんやあって、仮面ライダーフォーズがスポット参戦したり、セブンスドラゴンみたいな絶望的な強さのラスボスを、力を合わせて世界の平和を取り戻す!というところなのだが、う、上様ーッ!?上様の出番が少ない!いや、シナリオの展開や伏線回収の滑らかさには文句のつけようがないが、上様の出番が少ないというところだけ……悔いが残る!アレ!?あと私、上様が謎のノートパソコンめいた物品を操作している画像を見たことがあるような気がするんだけど、この映画由来ではない?この映画では見かけなかったぞ……まだ私の知らないクソトンチキコラボを上様がどこでなさっていたのかが気になる……!

上様の出番を期待しすぎたあまりハードルが高くなってしまっていたが、結果的に上様の出番が5分くらいしかないので、ちょっとそこは残念だった。しかし、仮面ライダーオーズの映画としてみれば、ちゃんと話は面白いし、次の仮面ライダーフォーズへの繋ぎ・顔見せにもなっていい映画だったと思う。

雑談:食べるものがなくて乾パンに手をつけてしまった

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年末年始の冷蔵庫整理のため徐々に食糧を減らしていたところ、ついに食べるものがプロテインと牛乳と冷凍ブルーベリーしかなくなってしまった。計画的に減らしていたのにも関わらず、最終日になって妙に我慢できなくなってしまい、「こんなはずじゃなかった😣」などと言い出して非常食袋からカンパンを取り出す羽目になった。あと一歩のところで…いつも私は最後で台無しにしてしまう…!

今日の面白メモ:デジモン、夢と友情に溢れた子供たちのアドベンチャーワールドだと思ってたら、騙されて電脳にログインしたままの身体が現実世界で売買され、世界に散らばり、ふとユーザーがログアウト試したら「システムエラー ログアウト先が見つかりません」って返ってくるらしくて泣いた。なんでもデジモンのゲームでそう言うシナリオがあったらしい。「生き人形、死に人間でググると出てくる)

動画:謎の特殊部隊ベイリーズ騎士団 / 亜留間次郎

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色々なフィクションの科学監修をされていたり、著書が鳥取県から有害図書指定を食らったりしたことで(一部界隈で)有名な亜留間次郎先生。こちらの先生の動画をたまに一気見するんだけど、タイトルから想像もつかないような展開になっていって、大変面白かったのでメモ。

謎の特殊部隊ベイリーズ騎士団 / 亜留間次郎

謎の特殊部隊ベイリーズ騎士団に、イギリス式に改良した三八式歩兵銃を提供したのが三井物産(越後屋の末裔)で、その履歴が社史に残り、そして三井物産はこの騎士団を所有していたオーナーとの付き合いでダイヤモンドを買い、そのダイヤが給料三ヶ月分のキャッチフレーズで売り出されることとなり、またイギリスに紳士はいないという話からアーサー王伝説を書いた著者は強盗殺人でバンバン前科がある騎士で……やっぱ創作の美しさと著者の人格は関係ねえよ!などどパンチラインが強すぎる話題で、作業の手を止めて集中して聴くハメになった。メッチャ面白かった。

読書:民俗学入門 / 菊地暁

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この系統の本を読むと絶対に出てきて「親の顔より見た柳田國男!」と読者が思わず毒づくことでお馴染みの民俗学、その入門の手引書となる本(?)。いかにも昔からありそうな、流行に左右されない硬派なタイトルかつ岩波新書の本だったのだが、よく見たら2022年発刊だったので得した気分になった。

民俗学入門 / 菊地暁

読む前の予想としては、「まあ3回くらいは柳田國男先生の名前出てくるだろうな〜」くらい感覚だったのだが、まさかその10倍出てくるとはな。やっぱ避けては通れないのか、柳田國男先生の築いた道は……!というあるあるネタはさておき、民俗学とはどういう事柄を取り扱うのか?について分かりやすく纏められており、ちょっと民俗学に興味を持っただけの私でも最後まで読むことが出来た。人々が営む生活そのものを学問にしたようなもの、という認識でいいのかな。以下メモ。

▼くらし(衣食住)
生物が必要なのは「食」が一番、「住」が二番、それなのに衣食住の単語は「衣」を最初に持ってくる。アダムとイブが楽園で知恵をつけた時にすぐ手に入れたのはイチジクの葉という「衣」であり、衣類は人間を人間とする文化の根源、ヒト族らしさの現れ……という流れでぐっと来た。ところでこれ。

続けて食文化、住居と、人が生活する上で避けて通れない、それ無くしては生きていけない事柄の説明。昔と違って、団地などの近代の住居は、棺桶の出入りや仏壇の置き場を想定していない、生きる時だけ使う場所となって死ぬことが頭にない、ということは養老孟司先生も言っていたなあ。

▼なりわい(働く、運ぶ、取り替える)
世界は誰かの働きで出来ている。家の中で閉じこもっていたとしても、水ひとつ、食器ひとつ、食べ物ひとつ、何をとっても自分以外の誰かの働きで成り立っている。自由な旅をするにしても、遠く、早く、安全に、快適に、そのような方法で行こうとすればするほど、誰かの労働力と社会のシステムに依存していることになる。みたいなことかな。経済の基本はAからBへの移動であると同時に、取り替えることもセットなんだなあ、と教えて貰った。

▼つながり(血縁、地縁、社縁)
私が一番興味ないやつだ……人間関係好きじゃないし……と思いながら読んでいたのだが、結果的に一番メモを書いていたところ。
日本の政治家が言う「夫婦別姓は家族の繋がりを失わせる」というのは感情論だよね、なぜなら家長制度の中国は同姓不婚だし(初めて聞いた言葉だが!?)、韓国も夫婦別姓だよね(妻は父方の姓名を名乗らせられる)、みたいなのがめちゃくちゃ面白かったらしい。同姓不婚!?!?一族の者とみなせる血縁関係での夫婦はダメなんだ!?家長イメージが強い中国先輩や韓国くんがそうやっているのならマジで問題ないのでは……と言う気持ちにさせられた。
あと、昔は子沢山!とよくいうヤツ、私としては「子供=労働力とカウントできていた時代のことだよな〜、人間って単純にマンパワーという労働力だから、あればあるほど家が強いのはわかる」と言う印象はボンヤリとあったものの、この本を読んで細部のイメージができるようになったかも。そうか、生産と消費が10〜30人の一家を経済圏として行われていたのか。家族全体で畑を耕し、家族全体を養うどころか、余れば魚や果物・生地と交換が可能。労働力が足りない他所に差し向ける人材が手元にあれば、何かしらの交換が出来てより豊かになれるし、ツテも作れる。子供がいればいるほど豊かになれるから、子沢山で運営できる伝統があった。それに比べれば、今は子供を作れば作るほど貧しくなるビジョンなのでは?と。昔は子供がいればいるほど豊かになれた。それはスケールを大きくしても同じで、国も子供が居ればいるほど豊かになれるのだが、家庭内ではそうはならなくなったからか……と言うイメージができたことで、大変タメになったと言える。このコーナーだけ感想メモの文字数が多い!

ともあれ、なんでも自由化が進む昨今、伝統が薄れて、当てはまるべき型が無くなったのは良いとも悪いとも取れる、そういうことを考えさせられるジャンルだとは考えていなかったので、とても面白く読めた本だった。