前回の続き。
漫画:鬱ごはん 1巻 / 施川ユウキウ……!1巻で気になっていた『食べ物が粗末にされる』『生理的嫌悪感のある気持ちの悪いオチ』のシーンが、2〜3巻で若干増えている……!あと、起きる出来事の一つ一つが悪い結果に転んだり、そうでなくともマイナスな結論が出ることが多く、これじゃあ鬱野くんが学習性無力感を覚えて鬱になってしまうのもやむを得ないのではと心配になった。いや、鬱野くんにポジティブ思考になって欲しいわけではないんだが……言語化し辛いな!
ただ、4巻に入ってからは、持ち前のシニカルな結論がキレキレで笑ってしまった。何かの話題が出た時にその話題に関連するウンチクを反射的に返している人間を見て「問題は大半が無自覚で、『自分は引き出しが多い』と誤ったセルフイメージを抱えてしまっていることにある、いたたまれない」と反省する鬱野くんや、映画を見た後に「映画の感想を言語化するのが面倒だからSNSで他人の感想漁って自分と感性が近い意見を探すか」とスマホを触る鬱野くんは良かった。そう、私は鬱になるごはんを見たいんじゃないの、モーム的な観察眼の煌めきを見たいの!(?)
しかし鬱野くん、なんやかんや言って金遣いが荒そうな生活しているが、大丈夫なのか?金払わんと出来ん経験の方が多いし経済も回るというのは承知の上だが、フリーターってこんなもんだったか……?とページをめくるたび常に余計な不安がチラつくが、「まあでも私もフリーターやってた頃はこんな金遣いだった気がするな、人のこと言えねえじゃん」と気づいていたたまれない思いをした。他人の経験から何も学ばないくせに、自分の経験からも何も学ぶことができない、この哀れさが人間の証明ってコト……!