漫画『バーナード嬢曰く。』で有名な著者の方のメシ漫画。WEBサイトに掲載されていた話はいくつか見た覚えがあって、その時は面白かったなあと感じはしたものの、特に買ったりはしていなかった。しかし……Kindleセール!還元ポイントつきます!とTwitterで情報が流れてきたため、何も考えずに脳死で購入ボタンを押した。ワンクリって便利だなあ…。
就職浪人中の主人公・鬱野たけしが、暗い気持ちで一人飯を食い、鬱々とした内省で終わる一話完結型の漫画(特に飯を食って気分が明るくなったりするような話にはならない)。おいおい無職で外食連チャンはなかなか勇気があるなと今になってこそ思えるのだが、20代の時は私も普通に外食してたし、無気力のままオートマチックにコンビニ弁当を毎日買っていたりしてたわ。自炊ができるようになったヤツの上から目線の驕りみたいなの出ちゃった。
面白かったところメモ。
・厭世的な思考の鬱野くんが、ただただ心の中でつまらん考えをしつつ飯食ってるだけなのだが、言語化能力の鬼って感じで大変面白い。なんかそういうの活かせる仕事ないの?
・わさび入りの寿司を食う時、鼻で空気を吸っておくと、つーんとしたワサビの刺激が鼻腔の空気のカーテンによって遮られるという豆知識を覚えた。今度やってみようかな。
・また唐突に出てくるやんけ「ちびくろサンボ」!!この絵本、死ぬほど擦ったの懐かしいな。
・食欲が湧かず、渋々何かを口に入れているという展開が割とある。マジでそんな人種いる?私は身体が許せば1日6食でも余裕だが?などと、あすけんの女に介護されてイキっている身としては抜群に共感できなかったのだが、だんだん鬱野くんにつぶやきに感情移入してきて、最後の方には「鬱気味だと食欲湧かないっていう人はいるらしいから……生きるためやり過ごす重労働のひとつって感じなんだろな……」くらいには思えるようになってきた。
・たまに飯が粗末な扱いを受ける回があるな。飯自体にはあまり欲望がない人間ってこういうコト…!
・あ!?お!?主人公、親から仕送りされてんの!?だから無職でも食う金があったのか!と思ったら「仕送りが停止されてしばらく経つが、なんの問題もなくフリーターとしてライフスタイルを成立させてしまっている」と話が続いて、鬱野くんと同じような表情になってしまった。
・鬱野くんのセリフの文字数が多いせいか、1巻を読み終わるまでに思ったより時間がかかるので笑ってしまった。コスパという意味では良いのかもしれない。しかしキャラクターが最初から最後まで確立されてるな……と思っていたら、かなりの割合で作者の実体験が元になっているそう。なるほど。
以上。面白かったし、2〜3巻も今ならKindleセール!と煽られているので、明日あたりにまた買うか。