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読書:おはなし りょうり きょうしつ・6 こまったさんのグラタン / 寺村輝夫、岡本颯子

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

2日連続で、こまったさんシリーズの続きを読む。
このこまったさんシリーズという児童書は10巻まで出ており、それぞれタイトル料理にちなんだストーリーが展開される作りになっている。今まで(1)スパゲティ、(4)オムレツ、(7)サンドイッチは読んだことがあるので、今回は(6)グラタンを読むことに。なんだかんだで全巻コンプリートできそうな気がしてきたな。

おはなし りょうり きょうしつ・6 こまったさんのグラタン / 寺村輝夫、岡本颯子

例によって、異世界に召喚されて、タイトルの料理であるところのグラタンを作ることになるのだが、今回はこまったさん(花屋の既婚女性)の旦那さんがメインで料理を作り、こまったさんはそれを口うるさくサポートする感じだった。この展開は初めてじゃないか?

今回の舞台(夢の異世界)は、旦那さんの趣味の電車の模型で、マカロニグラタンのマカロニのトンネルを抜けていく、といった情緒性はとても良かったし、久しぶりにマカロニグラタンが食べたくなったりもした。私も子供の頃、母親の作るマカロニグラタンが好きだったなあ。あと、親族と宴会をするときにカニの甲羅を利用して作ったカニグラタンも好物だった。カレーやシチューは断然肉がメインで入っていて欲しい派なんだけど、グラタンは魚介類だったかも……といったように、絵本を見て、懐かしい気持ちに浸るということが出来たのは、このシリーズで久しぶりかも。いつも我に返って野暮なツッコミをしていたりしたからな。

読書:おはなし りょうり きょうしつ・4 こまったさんのオムレツ / 寺村輝夫、岡本颯子

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こまったさんシリーズの続きを手に入れた。このこまったさんシリーズという児童書は10巻まで出ており、(1)スパゲティ(2)カレーライス(3)ハンバーグ (4)オムレツ (5)サラダ (6)グラタン (7)サンドイッチ (8)コロッケ (9)ラーメン (10)シチューと、それぞれタイトル料理にちなんだストーリーが展開される。
今まで(1)スパゲティと(7)サンドイッチは読んだことがあるので、今回は(4)オムレツを読むことに。

おはなし りょうり きょうしつ・4 こまったさんのオムレツ / 寺村輝夫、岡本颯子

多分今回もこまったさん(花屋の既婚女性)が異世界に召喚されて、タイトルの料理であるところのオムレツを作ることになるのだろうと予測を立てる。これはこのシリーズのお約束だからね。

さて、話はこまったさんのお家に「4月31日にオムレツ島へ招待します」みたいな旅行の案内が来たところから始まる。4月30日の次の朝、とりあえず旦那さんのご飯の準備をしてから旅行へ出かけようと冷蔵庫を覗いだところ、なぜかそのままオムレツ島に転移して……なんでだよ!そして、そこで出会った不思議な空飛ぶおじいさんはこう述べる。「早速オムレツを拵えてもらおうかの。うまくできれば、うちにかえれるが、下手だったらこの島から出れんことになる。いいかの?」何も良くないよ!なんの誘拐だよ!

毎回思うんだけど、こまったさんが異世界に飛んでから遭遇するやつの方がよっぽど困ったヤツらなのでは?と思っていたら、今回は、普通に協力的なお料理上手な人間たちが続々出てきて、こまったさんにアドバイスをするなどしていた。クソー!登場人物の性格がやや悪いのはこのシリーズのお約束じゃないのか!?認知不協和を起こすだろうが!あといつも思うんだけど、この作者のあとがきのクセが強い!自己主張が激しい!毎回ツッコミどころが多いな!

純粋に児童書を楽しむ気持ちをとっくに失ってしまった私だが、そんな薄汚れた大人の心でも楽しんでしめる本だった。

読書:おはなし りょうり きょうしつ・7 こまったさんのサンドイッチ / 寺村輝夫、岡本颯子

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▼前回の続き

読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子

あの後調べたところ、こまったさんシリーズは全10巻まで出ているようで、以下のお料理がリストに上がっていた。

(1)スパゲティ(2)カレーライス(3)ハンバーグ (4)オムレツ (5)サラダ (6)グラタン (7)サンドイッチ (8)コロッケ (9)ラーメン (10)シチュー

うーんこの中から次を選ぶなら、サンドイッチが好きかなあ……ファミマのミックスサンドに死ぬほど課金していた時期あったし……と思って、順番通りではないが、(1)スパゲティ→ (7)サンドイッチと、順番を飛ばしてみることにした。さあ読むかと本を手に取ったら……嫌な予感!表紙が不穏!

おはなし りょうり きょうしつ・7 こまったさんのサンドイッチ / 寺村輝夫、岡本颯子

こまったさんは駅の前で小さな小さな花屋を営んでいる。この導入は毎回同じか〜〜と思いはしたものの、よく見たら1巻と、お花屋さんの絵柄が変わってない?建物の形はそのままなのに、季節を変えた感じのペインティング。細かい雰囲気変えで好感が持てる。話の内容は、以前と同じように「起:タイトルに因んだ料理の話題」「承:異世界に飛ぶ」「転:料理という名の力技で捩じ伏せる」「結:夢オチで異世界から帰ってきて、旦那さんに料理を振る舞う日常に戻る」というような流れなのだが、今回の異世界には人喰いの青鬼がいて……おい!!

急にホラー展開じゃねえかよ!!!!!!!!!!!!!!

お料理がテーマの児童書をニコニコしながら読んでいたら、急に注文の多い料理屋めいた不穏な雰囲気が流れ出し、主要キャラクターが人喰い鬼に捕えられ、「きょうは、かわったおへその、にこみりょうりです。ざいりょうは、人間のでべそを十こ……」とレシピが出てくるなんてことあるか?こまったさんってこんなちいかわみたいな世界観してたっけ?ちびくろさんぼもそうだが、古い児童書にときどき出てくる隠しきれない不穏なスパイスは一体なんなんだよ。これが児童書文学だとしたら、大半の子供がチビるだろ!

……エッ?本当に私、児童書を読んでた?困惑のあまり、サンドイッチの話が何も頭に入ってこなかった(サンドイッチ侯爵あるあるネタが出たことくらいしか覚えてない)。あまりにも展開のインパクトが強かったので、また他のシリーズも手に取ってみたい。ネタとしての意味で、大変おもしろい児童書だった。

読書:おはなし りょうり きょうしつ・1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子

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この児童向けの絵本の表紙、見覚えがある!絶対に読んだことがある!と確信できるものの、内容がサッパリ思い出せず気になってしょうがなくなり、改めて読んでみることにした。

おはなし りょうり きょうしつ1 こまったさんのスパゲティ / 寺村輝夫、岡本颯子

やっぱこのイラストの女性とカラスの感じ、絶対見たことあるって!(2回目)

この本は、お花屋さんを営む奥さんのお話。この女性は「あら、困ったわ」が口癖なので、それを見た旦那さんがこまったさんとあだ名をつけたものらしい。絵本にしてはちょっと長く、ルビありとはいえ漢字も出てくるので、親が読み聞かせをするか、単独で読むならば小学生向けの児童書ということになるのかな。本のタイトル「おはなし りょうり きょうしつ1・ こまったさんのスパゲティ」の通り、今日はおうちでミートソースでも作ろう!というのが主な内容になる。

こまったさん「ひきにくはあるし、たまねぎもあるし、セロリもあるし、パセリもあるわ。よし、ミートソースができる!」

雨が降って買い物に行っていない状況下で、冷蔵庫にセロリとパセリがあるんだ!?明らかに自炊し慣れている、頼もしい奥さんやな……!と感心したり、玉ねぎをみじん切りにするのに水中ゴーグルを使っているのを見て、確かに昭和はこの文化があった……と懐かしんだり、よくよく見たらエプロンのチューリップ柄に妙に見覚えがあったりと(我が家は食卓周りにチューリップモチーフのアイテムを置いていたことを思い出して、いま初めて、当時時代の流行りだったのかもと思い至った)、面白い。

ただ、いざ本を開いても、内容に全く覚えがなかったので、私が読んだことがあるのは別のこまったさんシリーズだったかもしれない。さすがに、作中の『自宅で茹でていたスパゲッティが急に鍋から溢れ出して、お湯でできた川とともに流れていき、気がついたらアフリカに居て、周囲の動物にせがまれるままにレストランで様々なスパゲッティを作った』などという超展開、いくら私が小さくとも多少なりとも覚えているはずだが……!キャラクターに見覚えがあっても、ストーリー展開に覚えがない!

しかしながら、次々に描写される美味しそうな料理の工程に、どんな困った事態にも対応が取れるこまったさんの人柄、やさしいストーリーで、最初から最後までニコニコしながら読み終わることができた、素敵な本だった。また、他のシリーズも読んでみたい。

最後に奥付けを見てみたんだけど、1982年で1刷、1995年で61刷ってやばくない?最新だと何刷だ?このシリーズ、やっぱすごいんだな……!

読書:せかいいちまじめなレストラン / たしろちさと

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今日は心に余裕が持てるものを眺めるぞ!というわけで、絵本を手に取った。これなら私の心の余裕を奪うものは……いや、絵本といえども、そんなのいっぱいあるな……まあ多分、大丈夫だろう!せかいいちまじめなレストランだから!

せかいいちまじめなレストラン / たしろちさと

うっすら警戒しながら読み始めたものの、最初の1ページ目の、主人公のシェフがきっかり朝7時に起きて職場に向かうところで完全に警戒を解くことができた。注文の多い料理屋みたいなレストランじゃなくてよかった。なぜ私は絵本にこんなにも警戒しているのか。こんな大人になるはずじゃあなかった。

ともあれまじめなシェフは、いつも決められた通りに起きて、支度をし、お店を開く。お客さまからりんごジュースが飲みたいと注文されれば、家の裏のリンゴを取りに梯子を抱える。魚料理を注文されれば、いいおさかなを釣るところから始める。家出をした子供と、子供を探しにきたお母さんには、心のこもった暖かいカレーを。出てくる料理はみんな美味しそうで、それは、まじめなシェフが心を込めて作った料理だと分かる。そんな1日を日常とし、今夜もシェフは眠りにつく。なんていい世界だ……なんて素敵な絵本だ……こういうのだよ、求めていたのは!

たまには大人がニコニコしながら読み終わる本があっていい、そういうことを実感させてくれるよい絵本だった。