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読書:ポルトガル菓子図鑑 お菓子の由来と作り方

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Twitterでつぶやく時、「▼トピック、・」と打つのが面倒になってしまった。(諦念)

ポルトガル菓子図鑑 お菓子の由来と作り方:ルーツは修道院。知っておきたいポルトガル菓子101選 / ドゥアルテ智子

この間読んだ、ポルトガル滞在記に出てくるデザートが美味しそうだったので、なんとなく手に取った。あと、ポルトガルから長崎に伝来した菓子類って結構あったんちゃうかったかな、と興味が湧いた。ポルトガルからやってきた菓子で、パッと思いつくのはカステラかなあ。昔、お笑いコンビのロンドンブーツ1号2号が「ポルトガル人が〜長崎へ〜カステラカステラカステラカステラ…明月堂のカステラ〜」みたいなCMソングを口ずさんでいたのを覚えている。なんでそんなことばかりを覚えている?

ともあれ、ポルトガルのお菓子の図鑑を開き、お菓子の写真・紹介・レシピが見開きに収まったページを1枚1枚捲っていった訳だが、素朴なお菓子が多い印象があるな。基本は卵と牛乳と大量の砂糖。ビスコット、トウモロコシ粉、ナッツ、メレンゲの何か、カスタード等々。甘さとコク。古き良き、伝統のお菓子文化こそがポルトガル菓子!という感じで派手な感じの菓子があまり見当たらなくて、修道院ゆかりのお菓子が多いっぽい。

図鑑の解説曰く、ポルトガルは9割がカトリック教徒で、キリスト教にまつわる菓子が多いとのこと。かのスペインの隣国だもんなあ、それはカトリック一強になるよな。だから修道女が開発した菓子レシピが多くて、素朴な印象のものが多いのか。まあカトリックが質素か〜?と言われるとちょっと違う気もするが、さほど材料や技術が発達していなかった時代のものを継承しとんのかなと。また、修道院は古くには王族貴族が国内旅行をする際の宿泊施設としての役割があり、高貴な人へのもてなしとして、貴重な砂糖を大量に使った菓子作りが発達したとのこと。時代が進むにつれて、修道院に権力が集中することを恐れた王が修道院廃止令を施行され、収入源を失った修道院は、市民にお菓子やレシピを売ったりして広まった、とあり、納得が行った。あと、スペイン統治下になったり、財政基盤が貧弱だったりのゴタゴタで、普通に工業化全般が遅れており、それが手作り菓子の文化を残すのに逆に良い環境になったっぽい記述がある。そんなことある?

気になっていた日本へ伝来された南蛮菓子のルーツだが、一六タルト、カステラ、カスドース、かせいた、鶏卵素麺、金平糖、丸ぼうろが紹介されていた。お!?さすがカステラを教えてくれた国、丸ぼうろ(ボーロ)もラインナップにある。言われてみれば、砂糖と小麦粉をバンバン使うのは日本古来の菓子ではないよなあ。そういう意味では、ポルトガルに影響を受けた、砂糖と小麦粉をバンバン使う菓子が多くなっていくきっかけとなったのは、ポルトガルなのかも。ポルトガルは植民地政策によるプランテーションで砂糖を多く交易商品として持っていたから、日本の貿易拠点の九州側では甘いものが流通して〜みたいな流れだとは思うが、もしかして九州で甘い醤油がメジャーになったのもそういう理由なのでは?「砂糖は高価なものだが、俺たちは…使える!」ってコト!?また、「コンフェイトシュ。来た!金平糖の原型!」と思っていたら、ご本家では白くてゴツゴツした砂糖菓子のようだった。我々の知っている半透明の金平糖は、どうやら日本人が魔改造したものらしい。いつもすみませんね、日本人が……。ちょっとびっくりしたのは、米系のスイーツが結構あること。カスタードで煮た米とか。米ケーキとか。

興味がある国のレシピ見るのって楽しいよなあ。そろそろちゃんとしたポルトガル史の本にも手をつけてみるか。

透明と透明感と透明感のある肌の違いとは

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透明感のある歌なら、中谷美紀のアルバムと即答できるところだが……!

世界一美しい 透明スイーツレシピ / 透明愛好家 tomei

タイトルのまんま、透き通ったスイーツを集めたレシピ本。
この著者の方は、Twitterで時々バズってタイムラインに綺麗な透明感のある写真が流れてくるため知ってはいたものの、最近Youtubeでもオススメされるようになり、気になる機会が増えて矢先に見つけた本だったので、手に取った。

あと、前はお菓子のレシピ本を見ても「うちにはオーブンがない、レンジもない、トースターもない、ガス火もない(IHヒーターのみ)」と言うことで実践編まで至らず、本を読んだきりで終わってしまってはいたものの、上のTwitterの写真にあるような、ドリンクやらゼリーやらだったらなんとかなるかもしれん、と言う考えもあった。

実際に本を見てみると、フルーツゼリーや、水信玄餅、寒天、ゼリーと炭酸を合わせたフルーツポンチなど、ぱっと見簡単に作れそう(慢心)。美味しそうと言うよりは「きれい〜〜」と眺めるだけでも満足してしまいそうだが、さすがにレモンにジャーム、ソーダ水を足したものくらいは……私にだって作れらあ!と言うことで、そのうち作ってみたい。最大の問題は、我が家に透明なグラスが一つもないことくらいか……。

最後に、どのように写真を撮っているのかのコラムのページもあって、なかなか楽しめるレシピ本でした。

あすけんの女とヨリを戻した

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体重が大いに増え、ずっと前に別れたあすけんの女と復縁することにした。このレコーディングダイエット用のアプリ、やっぱなんだかんだで入力が楽なんだよね。このサイトの前にやっていたレコーディングダイエットのブログをやっていた時は、Googleスプレットシートでの計算と食事内容をブログに記録していくだけで70kg→53kgくらいまで痩せたので、やっぱなんだかんだで軽量・記録は重要なんだよなあ。

日曜日はプーレ・ロティ ちょっと不便で豊かなフランスの食暮らし / 川村明子

最近インスタで中谷美紀のオーストリア生活を見ていたら、そういえば昔から旅行記やらフランスやらでエッセイを出していたなあ、というのを思い出しつつ手が伸びた本。目を瞑った時の寝る前の妄想の糧にするのにちょうどいいかという、まるでエロ本みたいな用途で手を出してしまった。私はいつもこんなふうに洋館雑誌やらレシピ本やらに手を出してしまっている。まあ遠くにあるものが美しく見えるとも言うし……。
ともあれ、この本は著者がパリに留学した際に料理を学んだあれこれや、ライターとしての仕事で得たフランスにまつわる知見などをまとめたもの。フランスは、日曜日はスーパーの大半が営業していないし、日本ほど豊富に加工品が置いてある訳でもないらしい。基本は素材そのまま、またはチーズなどのよく使う加工品などは売られているもの、ドレッシングやマヨネーズやらなにやらは手作りが多い国らしい。ここにはコンビニも無く、しかしそういった不便さが良いのだと著者が言う。ものが無ければ無いで作ったり、多少の不便は工夫してどうにかすると言うのが人間というものだ。市販の完成品をただ消費するのではなく、工夫しながらプロセスを作り出す営みがよいとのこと。この辺りは分かる気がするな。流石にマヨネーズを自作することはないが、自炊が好きだし……。すぐ買えて即消費行動を行えるのは時間がない時はメチャクチャに助かるが、多少気力がある時には自分で工夫を加えた方が、少しは日々の退屈を紛らわすことができるのは確か。それを豊かと呼ぶかどうかは主観によるとは思うが、この著者のフランスでの暮らしで得た知見などを垣間見るのは楽しかった。今夜、寝る前にはフランスで暮らしてる妄想して寝ます。(オチで台無し)

ヘンゼルとグレーテル、こんがりパイの魔女風味とか出てきたらどうしようかと思った

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絵本のお菓子 / 太田さちか

今日読んだのはお菓子のレシピ本。ロングセラーの絵本に出てきたシーンや要素を製菓で再現する趣旨のもの。私はテーブルコーディネートを見るのが好きで、お菓子を普段作ったりしないのに、ついこういう本を手に取ってしまいがちである。まあ、最近は子供向けの本をよく読むことが多いので、次は絵本に手を出してみようかな〜と考えていたこともあり、目ぼしい絵本を見つける目的も兼ねてパラパラと読んでいたのだが、いや……紹介する絵本の数が多いな!『ぐりとぐら』の例のでっかいパンケーキが出てきただけでも十分満足していたのだけど、途中から紹介する絵本の数多くない?と思って目次に遡って数えたら、50冊くらいあるが!?しかも絵本1冊に対して、1〜2種のお菓子の写真とレシピを載せているので、もうこれとんでもないぞ。絵本とお菓子のボスラッシュなんだよな。

流石に50冊ともなると、いろんな絵本が出てくる。
・知ってるし内容もちゃんと思い出せる童話(人魚姫、白雪姫、雪の女王、シンデレラ、マッチ売りの少女)
・なんかうろ覚えだけど大まかなストーリーはわかるヤツ(ぐりとぐら、スイミー)
・子供の頃、確実に読んでもらったと思うのだが、内容があんまり思い出せない本(スイミー、はらぺこあおむし、からす)
・有名どころなのでタイトルや表紙は覚えているが、それ以外の全てがあやふや(ちびくろさんぼ、若草物語、モチモチの木)
・全く知らない絵本(マフィンおばさんのパンや、ゼラルダと人喰い鬼)
などなど

お菓子は『にんじんケーキ』という絵本を元に作られたキャロットケーキが一番食べてみたいと思ったかな。ビジュアルが好き。
食器の映えで言えば、『おちゃのじかんにきたら』という絵本を元にしたティーパーティのスイーツが良かった。
また、この本には簡単な絵本の内容紹介もあったので一緒に見てみたところ、改めて絵本で読んでみようかなと思ったやつは『まよなかのだいどころ(世界観が良さそう)』『モチモチの木(表紙をメチャクチャ覚えているので気になっている)』『ちびくろさんぼ(黒人人種がどうのとかいうやつか?とザラついた気配を感じてしまい、心に引っかかってしまった)』だろうか。

総じて大変楽しめるレシピ本だった。私が、これをみて菓子を作れる人間であれば尚良かったのになあと思いはしたが、うちには電子レンジやオーブンの類がないので……と言い訳をしようとして思い出した。アイスクリーム等普通に作れそうなものもあったな、そういえば。かつて行っていたダイエットの制限(菓子を作ってはならない)が心根に染み付いてしまっている。久しぶりに何か菓子を作ろうかな。