「漫画」の記事一覧

読書:作りたい女と食べたい女 1〜2巻 / ゆざきさかおみ

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たまにTwitterのタイムラインに流れてくるWEB漫画、『作りたい女と食べたい女』。その存在はなんとなく認知していたものの、突然LGBTのコーナーに積まれているのを見かけて驚愕の一言。この漫画、そんなテーマあった!?登場人物がワイワイ飯を作ったり食ったりする話だと思っていたが!?タイムラインで流れてくるエピソードしか知らなかったので、どうやら設定もよく分からんまま見ていたことが発覚。とりあえず気になったので、手に取ってみることに。

作りたい女と食べたい女 1〜2巻 / ゆざきさかおみ

作りたい女と食べたい女が、ずっとWin-Winしている漫画だった。
少食だけど大量の料理を作りたい女と、めちゃくちゃ食べてくれる女が、ひたすらにいろいろなご飯を作ったり食べたりしている感じで、出てくる料理がどれもめちゃくちゃおいしそう!この漫画、お料理する女と食べる女が見たいだけという目的なら十分に楽しめると思う。恋愛ものが好きだというのなら、プラスしてお得って感じかも。

難癖つけるとしたら、古からずっと、現実でも創作でも強調されている『女の呪い』がなんか最近受け付けなくて、そこだけ読み飛ばしてしまった。この漫画が悪いわけではなくて、この設定が目の前に出てくることがトリガーとなって、私の中のあらゆる嫌な実体験を思い出してしまうので、心を無にする方向に防御反応が働いてしまう。こういう呪いって、男の人が見ていて楽しいものなのか、いつも若干気になるのだが、まあ椎名林檎みたいに殿方に向けては描いとらんという話なのかもしれない。絵が綺麗だし、出てくるご飯がとても美味しそうだし、当て馬系の登場人物とか出てこないあたりは安心して見ることができた。

めちゃくちゃ個人的な感想なんだけど、今やこのご時世、普通の恋愛も難易度が高くないか?日本の婚姻率が毎年下がっているし、もうそういう世の中なのでは、と穿った目で見てしまう。シンプルなラブアンドピースは殆どシャングリラなのよ。個人の感想です。

来月に3巻が出るっぽいので、その新刊が出たら、また読んでみようと思う。

読書:葬送のフリーレン 1〜9巻 / 山田鐘人、アベツカサ

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先日、TOHO animation 10周年 大感謝祭のYoutube生配信を見た際に、週刊少年サンデーで連載中の漫画・葬送のフリーレンがアニメ化すると知ったので、アニメ化するくらい面白いなら読んでみたいなあと思って手に取った次第。なんだかんだで異世界おじさんも面白かったもんな。流石に既刊数が20巻以上あると厳しいが、9巻ならまだ追いつける!と思えたのも大きかったかも。そういうわけで、今日は一気に9巻まで読み切った。

葬送のフリーレン 1〜9巻 / 山田鐘人、アベツカサ

この漫画は、魔王を倒した勇者一行のアフターストーリーになる。魔王・勇者という役割が存在することからも分かる通り、結構王道なファンタジーの世界で、勇者・僧侶・ドワーフの斧使い・エルフの魔法使いが勇者一行のメンバーだった。タイトルにもある、この『フリーレン』というエルフの魔法使いの少女が本作の主人公となる。
エルフは長寿である。魔王を倒した50年後、老いた元メンバーたちと再会し、人間である勇者と僧侶のその寿命をなんとなく看取ったフリーレンだが、人間の寿命の短さに、そして何も知らないままであったことに気づき、困惑した。そして僧侶の義理の娘を共に、人間を理解するために旅立った、というもの。

サンデーの作品は随分追いかけてなかったけれど、今こういうジャンルもやっているんだ!?まずそれが意外だったが、とても面白かった。創作を見る際、長い年月を生きる種族の視点や死生観の描写を見るのが結構好きなのだが、それが今回の漫画ではドンピシャだったのが大きいのかもしれない(主人公のフリーレンはエルフゆえに1000年以上生きている)。

最初の数巻を読んでいるうちは、うっすらと「これは物語の着地点はどこになるんだ……?過去の思い出を振り返るだけではネタ切れちゃうだろ」と余計な心配もしていたのだが、なんやかんやあってフリーレン一行には最終目的地ができ、その場所のかつて行ったことのある魔王城であり、道中、過去に倒し切れなかった魔王の配下達と揉めながらも過去の道をもう一度進む、と大まかな指針が示されたあたりから安心して読み進めることができた。

9巻も気になるところで終わってしまったので、また一つ追いかける漫画ができてしまった。私の好きな系統のストーリだったので、アニメ化されたら、それも観てみたいなあ。

読書:ナナマルサンバツ1〜20巻 / 杉基イクラ

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クイズ王・伊沢拓司率いる、QuizKnock(クイズノック)というYoutubeチャンネルをたまにみるのだが、たぶんそれ経由で知った、競技クイズを取り扱った漫画。以下ネタバレ。

ナナマルサンバツ1〜20巻(完結) / 杉基イクラ

競技クイズとはなんのこっちゃと思いながら手に取ったのだが、どうやら、クイズ番組でやるような知的競技の類らしい。最初のうちは「へ〜そういうのもあるんだ、クイズ番組的なやつかな?」くらいの感覚で見ていたが、学校内にあるクイズ研究会の活動の域を超えて、全国の強豪校相手に鎬を削り始める熱い展開とその見応えに一気に読み切ってしまった。

クイズ競技としては初心者なのだが豊富な文系の知識を持つ主人公、競技クイズ好きのヒロイン、サブカルに強い同級生、やたら強い謎の部長と、電子工作が得意な部長の妹、理数系に強いライバルや多種多様の因縁キャラクターといった、まあ誰か一人は推しメンができそうな豊富な全国各地のメンバーたちが、全日本U-18のクイズ大会、『スクエア』のクイズ王の座をかけて闘うという、なかなか普段見ることのないジャンルの漫画で面白かったな。私は文系の主人公が、最終的に推しになったかも。

途中気になったのは、段々と女性キャラクター周りから感じる謎の配慮というか、なんかポリコレ対策しなくちゃダメだったのか?みたいなオブラートみを勝手に感じてしまい、その周りに言い難い微妙なモヤモヤを感じてしまった。作者の方は女性のようだし、これはマジでなんだったんだんだ。

とはいえ、登場するキャラクターたち自分だけの強みを活かし、切磋琢磨し合いながら、知的に熱くなれる漫画で面白かったのは間違いない。オススメ。

カッパ巻きがカプ表記になるワケね

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呪術廻戦 196話 / 芥見下々

今週のおじゃんぴ本誌より。

先日の地元の図書館で借りた民話本(浜岡風土記)、『梅林止渇』の他に河童の話も掲載していたのを思い出した。
河童の民話はどこにでもあるって話は知っていたけれど、昭和40年代の手作り風土記にも載っていることを自分の手で直接確かめられたりすると、マジなんだな……!と実体験できて大層面白い。実体験が大事だよ!
それに河童にも県民性が出ているのが面白いんだよな。静岡の河童、問答無用で川に来た欲深婆を食っとるからな。他の県は友好的だったり義理堅さがあったりしてるっぽいのに……!せめて相撲とってから尻子玉抜いてやれ。

呪術廻戦の本編の話。真希vs河童。真希vs河童……??俺は何を言わされている……?でもこの河童、相撲カウンセリング能力があまりに高く、これはもはや乙女ゲーに出てくる女主人公のカウンセリング能力の高さに匹敵するレベル。大変だよ真依ちゃん、真希ちゃんが…河童なんかに…!(河童なんかに?)河童なんかに!河童なんかに…強くなるために他者に頼ると言う発想がなかった真希ちゃんが……ワッ……!あまりに河童が頼もしいので、カッパ巻き(河童×真希)推せます。地元のババア食い散らかした河童はこの河童さんを見倣え!

あと羂索くん、なんでこの河童スカウトした?そしてスカウトするときに相撲した?この二点がメチャクチャ気になる。

山を舐めると死ぬ、それはそう

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孤高の人1〜17巻 / 坂本眞一、新田次郎

かなり昔に、いつか読むぞリストに突っ込んでいた漫画。この本は、もともと実在の登山家をモチーフにした原作の小説があるっぽく、それをアレンジして漫画化になったっぽい。

確か登山家の主人公が一人山に挑む感じで、ヒロインが風俗落ちするみたいな事前情報は仕入れていたのだが、まあまあその通りの内容だった。途中まではなんだか爽やか青春部活ものっぽい雰囲気があったので、「おや?もしかして違う漫画読んでる?」と首を傾げたら、急に、マジで急に、地獄の道に行くじゃん。なにこの急展開の角度のエグさ…!?と思って読み終わって調べたら、やっぱ途中から原作変わっとんのよ!道理で!

恩師は死ぬし、出てくる連中の大半がクズだし(1巻で出できたヒロインは風俗落ちして、ライバルポジションの男は詐欺師オチ、命を預け合う仲間の裏切りも多々)、バトル漫画よりも多く人が死ぬし(登山仲間は大半が死んどるが!?)、も〜〜〜!!最後まで信じられるのは嫁と大学の先生だけ!!こういう人間関係のクソみたいなしがらみのある下界を振り切って、ただ一人命をかけて山を踏破する瞬間にすべてを賭けようとした主人公の気持ちは分からなくもない……と言いたいところだが、主人公も主人公でかなり極端な思想なので、まあ……山以外何もなくてよい、という思考の脆さは見ていて不安になったし、案の定社会でうまくやっていける気配もなくて、ずっと見ていて辛かったが、うん、うん……。でも、途中で「俺は不死身の森文太郎だ」みたいなの出てきた時、金カム思い出して笑ってしまったな(おそらくこの登山家の方が先)

Youtubeでもたまに登山家の遭難事件の動画とか見たりするんだけど、見たものの半分以上が登山家が死ぬ有様だったりするので、私は、絶対に山には登らねえぞ!という強い意志を育んだまま読了した。無理だよ山〜〜〜〜クマもいるんでしょ〜〜〜〜!?まあでも、この漫画はとても面白かった。絶対山には登らないが。