「行動学系」の記事一覧

読書:きみの人生に作戦名を。/ 梅田悟司

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

タイトルを見た時に、要するにブログのタイトルは何っていうような話かな?と面白く感じて手に取った。何気なく帯やカバーのテキストを見ていたら、『「言葉にできる」は武器になる』の著者さんの新刊だと知り、なるほど言語化の本かと気軽に読み始めてみたのだが、これまた読み終わるのに3週間かかった。ワークショップ的なアレが挟まると、私はページをめくる手を止めがち……!ワークショップ的な本を読むのが本当に苦手で、大体志なかばで終わる中、今回はちゃんと読み終えられたことに自分でもホッとしとる。

きみの人生に作戦名を。/ 梅田悟司

私は個人事業主なので屋号があり、またブログサイトをやっているのでサイト名があり、と、自分が展開しているものに何らかの名称をつけることには慣れているのだが、その対象を自分自身の人生にスケールアップした提案なのだと思う。

世の中、自分自身やりたいことを最初から明確にし、行動をもって貫き通している人は稀で、他人からみた客観的な「あなた」の人生は、一貫性がないものなのかもしれない。しかし、自分自身からみた主観的に「あなた」の信念は、一貫性があるものなのではないか?という提起から始まり、その内面を掘り下げて価値観を言語化・明確にして、過去から未来までに至る点と点を「きっかけ」「経験」「学び」でつなぎ、コネクティング・ザ・ドッツであることを明示してみよう。そして、見つけた自分の信念や価値観を、自分の行動指針として作戦名として言葉にし、その指針と共に人生を活きることを決意しよう……みたいなことかな?(曖昧な理解)

提案された『9マス思考法』というのは正直半分くらい読み飛ばしてしまったのだが、コピーライターさんならではの視点で、「何をしたいのか分からないということは、解像度の高い言語化ができていない。言葉だけが足りていない」という話が一番面白かった。内なる思いはあるが、それを外に出すため、または明確にするためには、繰り返し言語化する必要がある。そうでないと、他人からの「あなたが大事にしている価値観って何ですか?」というような問いにも、自分からの同様の問いにも、うまく答えられないからだ。そして、うまく答えられない=自分にはそのような考えがない、という判定を下してしまうことが多い。咄嗟に言語化できるほど明確になっていないだけで、たとえば友人との飲みでの会話が弾んで「今咄嗟にこんなふうに考えを答えたけど、こんな価値観が自分の中にあったんだ」と言ったように腑に落ちることもあるだろう。未加工のままの価値観を内包し続けることもできるが、それらを言葉として磨き、加工された言葉は、人の認識そのものなのである。より明確に認識できるようになった価値観は、行動を生む。そして言葉が行動を先鋭化し、行動が言葉を先鋭化する。このサイクルを加速させるのが「作戦名」なのだ、みたいなことだと思う。

これを読んで思ったことは、大まかに以下の通り。

・森博嗣先生の「本のタイトルを考えるに多くの時間を費やすが、決まってしまえばあとは書ける」みたいなもんか……。

・本の中にあった「誰もが事業を言い当てる言葉を探している」という文章、これは「誰もが人生の意味を探している」に似ているなと思った。これが人生の『意味』だとするには、その意味について、価値観を明確にし、言語化する必要があるなという意味で。

・私は考えをまとめたいとき、紙とペンを使って思考を三次元に棚卸しする癖があるので、この手の本の主張は大体賛同できるなあと思った。ただ、著者の方が社会人をやっていた時の経験ベースの主張だったので、全然しっくり来ない時もあった。自分の経験ベースで書く本の良し悪しはここかもしれない。

・基本的に、経済と人生は移動が本質だと思っている口なのだが、移動をするには「何らかの目的がそこにあると思われること」が前提だと思うが、移動するためには余白がないとできないよなあ、ということを改めて考えるなどした。

・情報過多と言われる世の中で、何でも手広く手をつけてしまいたくなるけれど、まずは自分が持っているものの整理から終わらせることを始めるということは、いいかもしれない。自分のやっていること一つ一つを掘り下げてないから、よく分からんまま次へ次へと外の無限の領域に身を投じてしまうことは、よくある。

・紙に思考を書き下ろしているとき、内部から外部へアウトプットしているつもりになっているが、それはもしかしたら逆で、外部から内部へ、整理した情報を自分に刻みつけるための作業なのかも。

・頭だけで大事なことを覚えておくことは難しい。覚えられないのはそこまで大事なことではないから、というわけではない。大事なことでも、人は忘れていく。だから、大事なことを覚えておきたいのであれば、より言語化し、明確化し、何かに残すことなのかもしれない。

以上。面白い本でした。

読書:発達障害サバイバルガイド / 借金玉

水色チェックマークのあるタイトル作品のネタバレを含みます

この間、月間スピリッツを読んだ時に、たまたまカレー沢薫先生の『なおりはしないが、ましになる』という発達障害についての漫画を見た。発達障害については正直なんも知らんのだが、人の心がわからないことについては自覚があるので、とりあえず参考までに……という動機で、前々から気になってはいたこの『発達障害サバイバルガイド』という本を手に取ったのだった。これが思いのほか、とても良かった。シンプルに生活する上でのライフハックについて、メチャクチャ強力な方法を提示して来る……。そうか、発達障害者が見るという前提で書かれた本で、これだけ堅いシステムを組んでるなら、そりゃあ大体のヤツに効くに決まっとる。うっかり付箋まみれにしてしまった。

発達障害サバイバルガイド / 借金玉

とはいえ、流石に私も30代半ばを過ぎたところなので、本の内容の三分の一くらいは、これまでの人生でなんとなく自分でもやっていたことはある。しかしながら改めて言語化されるとよりシステムが強固になっていく気がして、一度自分の生活について考え直す良い機会になったと思う。

この本が提示しているのは「より楽な、より快適な、より優雅な生活」。
これらのやり方について、「生活環境」「お金」「習慣」「在宅ワーク」「服」「食事」「休息」「うつ」の8つのテーマを絡めてガイドしていく、というのが大まかな内容になる。

以下、自分のことを振り返ったメモ。

(1)生活環境
設備投資できない病、これだあー!!!!!仕事周りについては、機能性の高いパソコンでいかに効率よく仕事をするかや、ドライアイ対策に加湿空気清浄機を横に置いたり、定期的な換気を行ったりと気を配れるんだけど、自分の身の回りの生活に消費する時間効率については後回しにしてしまう……!!食洗機、電子レンジ、炊飯器、ガスレンジ、乾燥機付き洗濯機、うちにない時短家電の数々よ。家事があまり苦にならない方なので、気分転換と考えるやり方で落ち着いてしまったが、そうだよなあ、仕事も生活の上で成り立っているんだから、仕事以上に生活の環境を整えなきゃいけない。自分の体が一番の資本なんだからな。人生をよくするのは努力ではなく設備投資、その通りだった。メチャクチャ反省したし、ゲームで学んだことを何も活かせてないことに気づいてしまった。ゲームではあんなに、楽になるための設備投資(装備・レベリング・ガチャなど)にマネー回せていただろ!

(2)お金
そんなに儲かっているわけではないのだが、何せ私はフリーランスで、自分で確定申告をしなくちゃならいということもあり、常にデビットカードとマネーフォワード先生に依存している。そのおかげで、まあまあ支出については管理できている……余剰資金で積立NISAとiDeCoもできとる……とは思う。ただ、生活環境の時にも思ったんだけど、つい光熱費がケチれないか考えちゃう悪癖があるなと気づいてしまった。必要なものをケチる、というのは、心身に良くないに決まってるんだよな。だって必要なものだぜ!?毎日確実にぶち当たる事態に、毎回ネガティブな思考を働かせるのは、どう考えても認知資源が勿体無いに決まってるのよ。私は自分の努力とか根性とかを当てにし過ぎている。人生をよくするのは努力ではなく設備投資……!(二回目)

(3)習慣
これについては、30代に入ってから、何事も長期戦でコツコツ挑む癖がついてきたので、実践できているかも、と思っていたけど「習慣にしたいものをエブリデイボックスという箱に突っ込んで、1日1回の眺める」は革新的だったかも。毎日Googleカレンダーを眺める、またはスマホのアプリのアラームとかをトリガーにして何かをする、みたいなことをしていたが、それよりスマートな方法かもしれない。というより、私は「物理的に視界に入る」ものの存在の強みを生かしきれていないなと思った。否応なく視界に入ってくるものを置いてみよう。

(4)在宅ワーク
ここ数年は在宅ワークで自分なりに対策を練ってきたこともあり、これはまあ、大丈夫。たぶん。繋がっていたい人に、もっとお菓子を送ったりするようにしよう。

(5)服
他人の目がない+ユニクロ+アップルウォッチなので最強!最強です!

(6)食事
これも問題なさそう。調理理論と栄養学は昔習っていたし、基本野菜は皮ごと食う、生協コープで一週間分の食材を買っている、予定とは違うけど美味しいもの食べてえ〜〜!!!美味しいものつくりてえ〜〜!!ってなったら外に出たりはする。

(7)休息
これもできている!と言いたいところだが、ちょっと怪しい。完全在宅ワークのフリーランスなので、仕事とプライベートの境目がない。そして美味しいご飯をゆっくり食べる、お茶をゆっくり飲むという喫茶喫飯が、なんかできないんだよな……と日々反省してしまっており、ちょっと心のしこりになっている。スマホや動画を見ながら休憩っぽいことをしてしまう癖がついているんだよな。そしてそれをやめたいと思っているのに、辞められない。春と秋は、気ままに手ぶらで散歩へ行くという趣味があるから良いのだけど、ただ自宅で過ごすしかない夏と冬がどうも……。最後の方にあった「多くの楽しさは、技術的習熟の先にしかない」「人生は、少しずつ楽しくなる」というところは、本当にそう思う。

(8)うつ
10代20代の頃は、もっと社会や人と上手く付き合っていかねば!という気持ちが先行していたが、30代になって自分にとって適切な他人との距離感が分かるようになった。鬱っぽい気分になる原因に対しても、逃げたりスルーしたりすることができるようになり、悩む時間が減って、そのぶんいろいろ考える時間が取れるようになった。ようやく生きていくのが随分上手くなってきたと感じるし、40代に入ればきっと、もっと楽しくなると思いたい。

などと振り返ったときに気づいたのだが、ここまでやってこれたのは、私自身の努力というよりは、思考するゆとりが取れるようになった状況・環境の恩恵がだいぶデカい気がする。やっぱ、時間と気持ちの余裕を生み出すような、環境に対する設備投資が大事だな!?!?一番最初の課題に戻ってきてしまった。仕方ねえ〜〜〜〜〜自分と生活に対しての設備投資に金を使ってみるか〜〜〜!!(諦念)

読書:行動を起こし、持続する力-モチベーションの心理学 / 外山美樹

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昨日、行動を起こさず、持続する力を失いつつある自分と戦っていたので、とりあえず読むことにした。タイトル通り、モチベーションの心理学についてあれこれ見解を述べている本なのだが、この手の本は散々読んできた覚えがあるからか、そんなに期待しないで読んでいたんだけど、これは結構面白かったな。

行動を起こし、持続する力-モチベーションの心理学 / 外山美樹

20世紀の半、動物はなぜそれを成そうとするのか?という問いに対し、生きるため・繁殖するためというのがそれまでの定説だったんだけど、アカゲザルでもパズルを知的に楽しむことが分かって以来、それがひっくり返ったことがあったらしい。アカゲザルがパズルを解いても、特に繁殖に有利になるわけでもないし、生きることとはあまり関係がない(飼われている環境だし、人間より知的レベルが生存に直結しない)。だから、生存欲求に基づく動機ではない。外界からの罰や報酬があって、それと紐づいているわけでもない。なら、なぜアカゲザルはこんなにも熱心にパズルを解いているのか?課題に取り組むこと自体が、彼らの内発的報酬、つまり内的なモチベーションになっているのでは?というような説明から始まる。

これだけでも面白いんだけど、うまくパズルが解けたら報酬を与える等をしてみれば、もしかしたらもっとパズルの成績が上がるのでは?と試した結果、モチベーションやパズルの成功率が下がったりしたらしい。古来からの定説である、飴と鞭は効果があるのか?ということに関しては、「飴と鞭は、特に効果が無い(それどころかモチベーションを下げることもある)」ということになる様子。

これは、パズルに取り組むこと自体が、彼らの内発的報酬だったのに、結果に紐付けた「ご褒美」という報酬行為が、内的モチベーション(課題自体が「目的」であり報酬だった)を外的モチベーションに変えてしまった(課題はご褒美という報酬を得るための「手段」に成り下がった)ことが原因と思われる。この飴と鞭は、人間に対しての「褒めて伸ばす」や「叱ってやらせる」のパターンとなることもある。ここで肝となるのが、人間のモチベーションの根底にあると思われる「自律性(自己決定権)への欲求」「自らの有能さへの欲求」の二つ。
誰かを褒めて伸ばそうとした場合は、その誰かの「有能さへの欲求」を刺激することで能力を伸ばそうとする、ということになるのだが、褒める相手に対する信用度がそもそもなかったすると「こいつは褒めることで自分をコントロールしようとしているな」と勘繰って「自律性(自己決定権)への欲求」にダメージが入るので、モチベーションが下がる、みたいなことらしい。メチャクチャ分かる……。

大人が子供を褒めたり叱ったりして伸ばすというのも、確かに手段の一つではあるのだが、モチベーションを外から操作しようとするのは基本的に諦めたほうが良く、当人の自発的なモチベーションに任せ(セルフコントロールが損なわれない状態)、自分はただサポートに徹すると良いということなのかな。
大人になると、子供を簡単にコントロールする方法はいくらでも思いつくので(褒める、叱る、プレッシャーをかける、罰を与える、恥をかかせる)、楽な手段を使ってしまいがちだが、この手の手段は考えて行わないと子供から自律感を奪う。自分がコントロールできないことについては、(アドラーでいう外を変えることは諦める、という意味合いで)「自分ではコントロールできない」という無気力感を学習して、モチベーションが著しく下がってしまう。うまくサポートするには、まず子供から信用される人間であること、その上で自律感を奪わないことが前提となり、ほどよく「有能であることへの欲求」を満たす(「前より成績が上がっているね、勉強時間も増やしたもんね」など、比較を当人の過去と現在に、具体的な方法や努力を褒めて、的確なフィードバックを与える)、と。

私も人生において結構「自律性(自己決定権)への欲求」を重んじるほうなので、めちゃめちゃ納得してしまった。「自らの有能さへの欲求」についても、言われてみればなんとなく分かる。本の中の例えで出てきたように、レベルの低い学校で上位存在でいることについては有能感があるだろうし、レベルの高い学校で下位存在であることは有能感は損なわれる。有能感の有無はモチベーションに結構影響を与える(もちろん、その劣等感をバネにして頑張るという人もいるだろうが、イメージ的には少なさそう)。4月生まれのスポーツ選手が多いのは、小さい頃から体が育ち、スポーツや勉強もでき、他の子と比べても有能感がキープできたから、そのスポーツに対する興味や技能の習得を持ち続けるモチベーションが維持できていたのでは、みたいな話も面白かった。

よし、私も今までの「自律性(自己決定権)への欲求」をキープしつつ、ネットで有能な人を見て己の比較しすぎないよう、「自らの有能さへの欲求」を傷つけないように生きていこう!
発想がもうルサンチマンなのよ。

読書:66歳、動物行動学研究家。ようやく「自分」という動物のことがわかってきた。 / 竹内久美子

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動物行動学か〜〜最近、Youtubeのいんよう!チャンネルの科学ニュース雑談で見た、「働きアリにおける分業の維持機構に新たな視点」という話がメチャ面白かったな……ということを思い出して、手が伸びた本。

この本は、『66歳、動物行動学研究家。ようやく「自分」という動物のことがわかってきた』という長いタイトルがそのまま本の概要になっているのだが、動物行動学を専攻とする著者が、「これまでの自分を振り返った人生編」と「人生から学んだことを述べる考察編」についてを書いた本になる。

66歳、動物行動学研究家。ようやく「自分」という動物のことがわかってきた。 / 竹内久美子

著書名を見ずに読んでいたせいで、男性が書いたんだろうなと思い込んでおり、「女のドロドロさに対する描写が結構具体的で、逆に今時珍しいな、こんなジェンダー気にせずバッサリ書いてくるのは……おや…?生涯の友が女性2人…?あっ、書いてる人女性だ!」と気付くまで結構かかってしまった。なんかのバイアスがあるんやろな、ちょっと反省した。

動物行動学についての知見が面白かった所をメモ。

・前提として、基本的に生物は繁殖行動を目的としているので、生殖能力の質の高さがその個体のジェンダーとしての価値になる。メスは一度妊娠すると、妊娠期間・出産・その他諸々の子育てといった多大なリソースを必要とする上、次の子供を得るまでにスパンが開くので、オスを選ぶ目が厳しくなる。オスは、メスを妊娠させるまで・させた後にかかる労力はほとんどないので、メス側に一定の生殖能力への期待(若さとか)があれば、メスほどは厳しく選ばない。よって、この基準に当てはまるものは、メスがオスを選ぶことが原則となる。(鳥とかはオスの方で華やかで美しいのははそういうやつね。世の女性が若作りするのも、生殖能力のアピールだといえる)
その上で、オスとメスの役割が逆転している鳥もいる。その鳥は、メスの方が美しく、オスの方が子育てをする。そうすると、オスの方が厳しくメスを選ぶようになる。
これらから見る本質は、「よりエネルギーを使い、拘束時間も長い、つまり一回の繁殖に対する投資が大きい方の性が、相手を厳しく選ぶ」ということになる。(当たり前のことのようだけど、言語化してもらって改めて「なるほど!」と思えた)

・免疫ってすごい。免疫力が高いやつは生命力も高い。だから免疫力が高いやつはモテる。(そうか?と思ったが、確かに病原菌に対する免疫がないとどうなるかはアメリカ大陸の歴史が物語っとるし、何より今コロナ渦だしな)
そういう意味では、島国である日本の場合、免疫力の集団獲得に祭りは有効である(2022年8月の阿波おどりで1/4がコロナに感染したやつだ…)。
人間はシンメトリー性を好むが(顔が左右対称である方がよいとされるやつね)、実際はさまざまな要因があり、完全にシンメトリーになることはない。そのシンメトリーを妨げる最大の要因は寄生虫・バクテリア・ウイルスなどによるもので、つまりそれら、シンメトリー性が一つの手がかりとなって免疫力の高さを押しはかることができる。ちなみに免疫力の高さは、主に男性側に求められる素質である(男性の方が、ルックスの違いで給料の格差がすごいっていうもんな)。ちなみに体臭の臭さが嫌われるのは、臭いの原因であるバクテリアの発生を抑え込める免疫力が見込めないことから…?なんかもう…免疫力って…すごい!(すごい!)

・政治的立場を「保守的」「リベラル」と二つに分けた時、その立場で嫌悪感受性の強さがわかるのではないかとする研究があるっぽい。保守的な方は嫌悪感受性が強いとされ、病原体の脅威にさられることや衛生状態に敏感、つまり危険なものには近づかないとするのでは?みたいな。そう考えると、リベラルは、「とはいえ、新しい免疫性を取得せんと、ヤバいもんが来た時集団が全滅することがあるやろがい!」みたいに飛び込んでいけることなのかな。やっぱどっちの人間も必要なんだなあ。

・いかにも賢そうにしゃべるやつは、「いかにも賢そうにしゃべる」ことにリソースを振り割っているだけだ。その能力と知識があれば大体やっていけることが分かってるため、実際の能力とはそこまで結びついとらんから、話を間に受けるな(先生!?偏見では!?しかも割かれているページ数多いな!?)

他にも面白いところが沢山あった。ちょっとだけ、著者の自他問わず向けてしまう攻撃性というか、不安定さ?が気に掛かるところもあったが、そういうものも込みで、今も著者は現役の研究家なんだろうなと思える、勢いのある本だった。ようやく「自分」という動物のことがわかってきた、というタイトルは、そういうことかもしれない。