今日は心に余裕が持てるものを眺めるぞ!というわけで、絵本を手に取った。これなら私の心の余裕を奪うものは……いや、絵本といえども、そんなのいっぱいあるな……まあ多分、大丈夫だろう!せかいいちまじめなレストランだから!
うっすら警戒しながら読み始めたものの、最初の1ページ目の、主人公のシェフがきっかり朝7時に起きて職場に向かうところで完全に警戒を解くことができた。注文の多い料理屋みたいなレストランじゃなくてよかった。なぜ私は絵本にこんなにも警戒しているのか。こんな大人になるはずじゃあなかった。
ともあれまじめなシェフは、いつも決められた通りに起きて、支度をし、お店を開く。お客さまからりんごジュースが飲みたいと注文されれば、家の裏のリンゴを取りに梯子を抱える。魚料理を注文されれば、いいおさかなを釣るところから始める。家出をした子供と、子供を探しにきたお母さんには、心のこもった暖かいカレーを。出てくる料理はみんな美味しそうで、それは、まじめなシェフが心を込めて作った料理だと分かる。そんな1日を日常とし、今夜もシェフは眠りにつく。なんていい世界だ……なんて素敵な絵本だ……こういうのだよ、求めていたのは!
たまには大人がニコニコしながら読み終わる本があっていい、そういうことを実感させてくれるよい絵本だった。