言語学者の著者が、90種の世界の言語ひとつひとつをテーマにしたエッセイをまとめた本。
まだ心がちびくろサンボ問題に引きづられているのかもしれない(サンボは蔑称じゃなくてインド圏内で普通に使われる名前だよという言語知識は絶対万国であるはずなのに、何とかならなかったのか?世界!的な)
1言語の話題を2Pで語る×90言語という、本をどのページから開いても読みやすい形式で、テンポ良く読めた。以下、心の叫びメモ。
「サンスクリット語がまだ日常会話で使われとんのか……ラテン語と同じ分類だと思ってた……」「奥様が勉強してスロヴェニア語を喋られるようになったくだり、夫婦してすご……。え、奥様スロヴェニア語入門の本を出した!?あ、チェコ語教師!?(wikiで見た)東京外国語大学の教授じゃん!」「言語観、当たり前のように飛び交っているけれど、初めて聞く言葉なのよ」「現代ヘブライ語がある!?えっヘブライ語ってもう今は使われない言語なのではと思ったけど、一人の男が情熱を捧げて現代に復活させたらしい。激アツ〜!」
個人的にめちゃくちゃ気になったのが、ポルトガル語のくだり。ブラジル音楽のジャンルであるボサノヴァで有名な曲「ソ・ダンソ・サンバ」、これがポルトガル語だということをここで初めて知り、驚愕した。黒田先生と同じく私もボサノヴァが好きなので、この有名な曲については知っており、ボサノヴァの歌詞ってずっとブラジル語か何かだと思っていたが、ポルトガル語だったとは露知らず……いやまてよ……ブラジルとポルトガルって、世界地図で見たらどの辺に位置するやつだ…?(Googleで世界地図を見る)ポルトガルはスペインの横?ブラジルは南アメリカだから……アッ……植民地……と薄暗い背景を察しつつ、この辺りの歴史も知りたくなった。(さらにググって)……ブラジルポルトガル語って何だよ!興味が尽きないな、もう!
ちょっと話は逸れるんだけど、ここ半年ぐらい世界地図が欲しいな〜とうっすら思っていた。今までは「世界地図を見たくなったらGoogleMapを見りゃいいじゃん」と思って済ませていたけれど、やっぱいちいちGoogle Mapを広げるのも面倒なんだよな。児童向けのお風呂に貼る世界地図のポスターとかないかとAmazonを見てみたのだが、これがそこそこ高い。うーん。まあ、暫くはPCのトリプルモニターのうち、一番使わないモニターの壁紙にしとくか……と、適当に拾った地図壁紙をデスクトップに貼り付けたのだが、これが面白くてずっと見てしまっている。例えば、TURKEY。黒海の真下にある『TURKEY』って何の国名だよ……?暫く考えたがわからず、ググってみると「ターキー(TURKEY)=トルコ」だった。トルコってターキー!?ターキーってクリスマスの七面鳥のやつ!?えーいどういうことだ!わからん!
ググった結果、どうやら「TURKEY(ターキー)」が英語の正式名称っぽい。日本でいう「トルコ」の読みは、ポルトガル語で「トルコ人・トルコの」を意味する言葉が由来だとか。お前!またポルトガル!……急にポルトガルについての興味が湧いてきたので、関連図書でも調べようかな。
そんな風に異国への好奇心を駆り立ててくれるきっかけを多々与えてくれる、良本でした。